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「お、いいんじゃない?」


画面を私も覗き込むと、綺麗に映り込む先輩と
先輩と並ぶに相応しくない私がいた



「ちょ、どこがいいんですか!」

「え?よく取れてるのに?」

「先輩はいいですけど、」



ツンと答えると、先輩はもう一度画面を見た



「可愛いのに、Aちゃん」

「冗談やめてください」


可愛くないな私
先輩のことをどう思う、とかの前に全く可愛げがないじゃない



「人の好意(厚意)を素直に受けられないと損するよ」




その言葉に、グッと引き寄せられる
先輩は人の気を引きつけるのが上手だ
私の意識は先輩のスマホから先輩へ、去年の先輩のあの顔と重ねて先輩を見た



「あはは、冗談」



何が冗談?




「はは」

「写真、送りたいんだけど連絡先知らなかったよね」

「あ、ですね」


スマホを出して、先輩の目の前に差し出した

先輩から連絡先を聞かれるなんて、何人中1人の確率なんだろう
理由は偶然だったにしろ、ラッキーって言うのかな




「ありがとう。後で送るね」

「ありがとうございます」

「うん。今から車持ってくるけど、ここで待ってる?」

「いえ、一緒に行きます」



先輩は満足げな顔をして笑った

何がそんな顔をさせるのか分からないけど、先輩の笑顔を見るのは嫌じゃない


ずっと笑っていればいいのに、と思う





『あーあ、手伝ってやろうかって言ったのに』




まぁ、あの笑顔を見るのは二度とゴメンだけど

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作者名:はに | 作成日時:2017年12月28日 1時

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