ブラックアウト・サウンド２ (ページ17)

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獣ページ17

テストもラスト１日

「あぁ～やっと終わる～そして夏休み～！」

「本当だね～疲れた」

梨沙子が伸びをして、机に突っ伏した

佑亮は徹夜だったのか私の隣で寝息を立てて眠っていた

「そう言えば、ここ最近小笠原先輩、Aのところ来ないね」

「うん」

先輩はあの日から確実に私を避けている
挨拶も返さないし
気まぐれだったのかな、まぁ何にせよ私からはもう挨拶してやらない

それに悪いことは連鎖する

先輩のこと、姉さんのこと…そして

「Aって意外とがめついのね」

コイツ(祥子)だ

「先輩にベタベタくっついて、おまけに車にまで無理矢理乗ってる」

聞こえてるっつの

しかも事実無根
お前の目は一体どこについてるわけ？

本当に！
最近上手くいかない！！

まぁ、上手くいったことなんてないけど

「でも最近一緒にいないよね」

先輩の事となると、多数の女子が絡む

私の愚痴を言ってるようでお互いがお互いを牽制しあって…

「A、私がぶっ飛ばしてやろうか」

「いいよ。梨沙子があの子達に絡まれるよ」

前の席で、チラチラと私を見ながら話す集団

どうしよう…日々のイライラがここで爆発しそう

「………っ、」

「うるさい。嫉妬してるからって、ギャーギャー耳障り。」

ピシッ

空気が凍りついた

「ゆ、佑亮…起きてたんだ」

「さすがに耳障りで寝れない」

そう笑う佑亮に、なんだか救われた

「ありがとう」

佑亮は得意げな顔をして親指を立てた