【grut】奇病 ページ27
grside
((カツ、カツ、カツ……
俺は今、俺か幹部か一部の人間しか入ることの許されない、秘密の部屋の扉の前にいる。
理由は単純。
ここに……大好きな奴がいるから。
もう…半分人間では無くなってしまったけれど。
「大先生、来たゾ…」
『…!!』
俺の愛する人___大先生は、俺が来たと分かると、顔を上げて嬉しそうに顔を綻ばせた。
だが、彼の声は届かない。
何故なら、彼は今、大きな水槽の中にいるからだ。
彼は後天性人魚病にかかってしまった。
原因は恐らく、一度海に溺れたため……だそうだ。
そのせいで彼は、水の中でしか生きられなくなってしまった。
5分以上外気に触れると、体がだんだん泡になって消えてしまう。
そのため、話すことも出来ない。
「ふはっ、嬉しいか?」
『!!』
大先生は、何度も首を大きく縦に振った。
本当に能天気な奴だ。
「最近、また戦争があってな。こちらから……っていうか、俺が吹っ掛けたんだけどなw。トン氏にめっちゃ怒られたゾ」
『…(笑)』
大先生が笑うと、水泡がブクブクと浮かぶ。
それから1時間程、ずっと大先生と話していた。
ちょっと揶揄うと、頰をプクーッと膨らませたり、褒めると照れたりと、本当に可愛らしい。
おっと……そろそろ行かなければ。
「では、大先生、そろそろ行く。またな」
『……!!!』
俺がドアノブを握ろうとすると、後ろからドンッドンッとガラスを叩く音が聞こえた。
振り向くと、泣きそうにこっちを見ている大先生がガラスに手を付いていた。
まるで、「行かないで」と言っているように。
彼の元へ歩み寄り、ガラス越しに手を重ねる。
不思議と彼の温もりが伝わってくる気がする。
『__________』
大先生の口が、ゆっくりと開き、何かを話した。
一言一言、確実に。
『だ…い…す…き……』と。
「鬱…!!俺も……愛してる…」
『…!!…((コクン』
大先生は満面の笑みを浮かべ、何度も何度も頷いた。
その顔は、嬉し泣きしているように見える。
『!!!((ガボッゴボッ』
大先生はいきなり苦しそうに首を抑え、息を止めるような素振りを見せた。
俺は咄嗟に側にあった大きなハンマーでガラスを叩き割った。
大量の水が溢れて出て、水流で大先生も流れてきた。
『ゲホッ、ごほっ…!ぐ、るちゃ…』
「大先生…!大丈夫なのか!?」
『う、ん…大丈夫…みたい…』
「よ、よかった…!!」
『グルちゃん、大好き』
「あぁ、俺もだ…!!」
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最近花言葉にハマってるヤツぅ - リクエストします。できたらshozmお願いします! (2021年9月26日 22時) (レス) id: bb7ade724c (このIDを非表示/違反報告)
onigiri710(プロフ) - リクエスト失礼しますm(_ _)mzm受けでGrさん攻めでオメガバースってできますか?更新楽しみにしてますm(_ _)m (2020年5月26日 23時) (レス) id: da17dc294d (このIDを非表示/違反報告)
マァシュ(プロフ) - アホ×100人分さん» ふぁぁぁあありがとうございますおあぁぁぁぁぁ!!!!!!更新出来ずすみません…。これからもよろしくお願いします!! (2019年7月7日 20時) (レス) id: 704c3d4927 (このIDを非表示/違反報告)
アホ×100人分 - 闇キュア私も好きですよ!!マァシュ様の作品はストーリーも文章も神すぎて.....好き(語彙力) (2019年7月4日 2時) (レス) id: 6b244d2531 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名03(プロフ) - 私もしょーてんしました (2019年4月10日 16時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マァシュ | 作者ホームページ:http://27espionc.crystal
作成日時:2019年2月10日 15時