４２ 鉢合わせ ページ43
ぴちょん、と水音がバスルームの中に響く。
お気に入りのフローラルな入浴剤にの香りにうとうとしてきたが、湯船につかったまま寝るのは危険だ。
頬をパチンと叩き、眠気を逃がした。
「は〜……」
あったかいお湯にふんわり包まれ、今日一日の疲れが取れていくよう。
それにしてもなんでキヨさんは怒っているのだろう。
あのあと引きずられるようにマンションを出て車に乗せられ家に入れられお風呂に入らされた。
その間、ずーーーーっと無言で怖かったがキヨさんに喋りかけられる雰囲気ではなかった。
「怒るツボが分からんよ……」
まぁなんてたって付き合って一日目だ。
前途多難なスタートに不安な気持ちでいっぱい。
「よし、謝るか」
このままギスギスしてても嫌だもん。
思い立ったが吉日。ざばぁっと水をはねのけ勢いよくドアを開けた。
「えっ」
「え？」
ぱちりと視線が合う。
目の前には、キヨさん。
私の彼氏。
好きな人。
「キャアァァァァァぁ！？！？」
人間、危機感を感じたら意外に早く動ける。
近くに置いてあるかごの中からすぐにバスタオルを取り出し、応急処置としてぐるっと身体に巻いた。
キヨさんはヤバイ、という顔を一瞬してそのまま１８０度回転した。
「ごめん、まじでごめん」
トイレ行こうとしたら……ともごもご喋るキヨさん。
これは誰も悪くない、ただの事故だ。
頭ではそう理解しているものの、恥ずかしさと虚しさと悲しさといろんな感情で泣きそうになってしまった。
「お、おれリビングいるわ。」
そう告げるとそそくさと行ってしまう。
仲直りチャレンジは大失敗に終わった。
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さかな - コメント失礼します。このお話とても私のタイプで！(?)いつも楽しくお話読んでます！！本当はコメントするつもり無かったんですけど、続編書くか、書かないか悩んでるそうだったので、コメントさせて頂きました！続編書いて欲しいです！無理はしないでくださいね！(( (2021年8月18日 10時) (
レス) id: 96fa6ea5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るな | 作成日時：2019年6月26日 23時
