３７ おねだり ページ38
「え！？今の声Aさんやない！？」
「えぇ！？Aさんって……永瀬さん！？」
「おぉい！！彼女とイチャついて予定すっぽかすとかなにしてんだよぉ」
「最低！」
レトルトさん、牛沢さん、ガッチマンさん。
ここまでは理解できたのだが……
「藤原さん！？」
思いがけない人物の声に呼びかけてしまう。
そういえば以前、キヨさんとお出かけした時に
【ん〜、まぁ普通に遊びにも行きますけど、基本つるんでるやつらも外に出なくて】
と濁すように言っていたのを思い出す。
つまり、藤原さんもゲーム実況者なのだろう。
そう考えると辻褄が合った。
「永瀬さん！そこにいるバカをここまで連れてきてくれない！？」
「えっと、状況が良く……」
「勝手に人の彼女と喋んな」
スマホをパッと遠い位置に持って行ってしまうキヨさん。
その位置からじゃ声が聞き取れない。
微かに聞こえる藤原さんに伝わるよう、
「とりあえずそっち行きます！」
と叫んだ。
キヨさんはちょうど同じタイミングでぷちっと電話を切った。
「あ、ちょっと」
「Aは俺と２人でいたくないの？」
スマホを近くのテーブルに置き、キヨさんがこちらに戻ってくる。
「いたいにきまってるでしょ。でもそれとこれは別。何か約束してたんでしょ？」
「そういえばフジたちと動画撮るって約束してたような……」
「ばか！大切なことでしょ！今から行くよ！」
こうしちゃいられない！と急いで立ち上がると嫌そうな顔をしているキヨさんの手をぐいぐい引っ張る。
女の私では絶対に勝てない、圧倒的な力に負けて逆に引き寄せられてしまう。
急に近づいた顔。
「Aからちゅーしてくれたら頑張る」
お願い、と上目遣いでおねだりするキヨさん。
その顔にすぐに負け、
「……目、つむって」
そう答えてしまった。
「はい、」
すぐに伏せられた目。
ドキドキしながら顔を近づけると
「んぅ、ふ、」
先に唇を重ねられ、あろうことか舌まで入れられた。
ぬるりとした感覚に反応してしまう。
恥ずかしくて穴に入りたいほどだ。
口を閉じようとするもねじ込まれてしまう。
苦しくなって息を吐こうとすると、そこからまた舌を絡められた。
２人分の吐息のみが部屋に響く。
「はっ、」
ようやく解放された口と腕。
空気を勢い良く吸い込む。
「ちょー可愛い顔、」
キヨさんはニヤリと微笑んだ。
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さかな - コメント失礼します。このお話とても私のタイプで！(?)いつも楽しくお話読んでます！！本当はコメントするつもり無かったんですけど、続編書くか、書かないか悩んでるそうだったので、コメントさせて頂きました！続編書いて欲しいです！無理はしないでくださいね！(( (2021年8月18日 10時) (
レス) id: 96fa6ea5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るな | 作成日時：2019年6月26日 23時
