純粋なポインセチア (ページ40)

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白濱「ん？知り合いなの？」

佐野「いや…そのさ？名前なんてゆうの？」

え…

何言われるかと思ったら名前？

『えと…A Aです…』

よく分からないけどとりあえず名前を言う。

佐野「やっぱり…」

小さい声だったけど確かにそう言った。

『えっと…どこがて会いましたっけ…？ごめんなさい！分からなくて…』

佐野「小学校の時…一緒に帰ってたAちゃん？」

そんな言葉に私の大事な記憶の一部が当てはまる気がした。

『うそ…私のこと慰めてくれてたサッカー少年さんですか…？』

佐野「やっぱそうだ。なんか面影あるなって思ってたんだけど名前聞いてピンときたわ笑」

そう言いながら笑ってるのは私の長年の初恋の相手。

佐野「てかなんか俺恥ずくね？Aちゃん言われるまで覚えてなかったっしょ？」

覚えてないわけないよ…

ただ雰囲気とか顔とか変わってるから気づかなかっただけ。

だって私の初恋の相手だもん…

でもそんなこと白濱先輩の前では言えない。

『いや覚えてますよ！記憶力いいんで！笑でもほんと変わりましたね！』

そうやって誤魔化すの。

この初恋をなかったことにはしたくないっていう私のわがまま。

玲於「そんな変わった？」

『顔も変わったし喋り方とかも全然違いますね！前はもっといきいきしてて凄く優しかったです！』

玲於「結構覚えてんじゃん。てか今は冷たくて優しくないみたいな言い方すんのやめて笑」

『いや正直自己紹介とか素っ気なかったですし笑』

玲於「前の学校では塩だ塩だって言われてたわー」

『塩ですね、完全に笑』

白濱「玲於…」

その視線から何か感じ取った佐野先輩はじゃと言って白濱先輩と一緒に行ってしまった。

初恋の人と会えて嬉しいはずなのに苦しい。

私は白濱先輩の彼女で佐野先輩は由佳の彼氏なんだよね…

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