スリール 〜笑顔〜 【夢色パティシエール】

Story.10 ページ12

今日の実習はシュークリーム。

シュークリームは前にも作ったことあるから大丈夫そう。



いちごちゃん、苦戦してるみたい。

スイーツ王子たちからいろいろ言われてる。

よし、生地はできた。

あとは焼くだけだ。



いちご「わぁ〜！美味しそうに焼けたよ！」

えっ、いちごちゃん！？

「「「ダメ〜！！」」」

いちご「えっ？」

いちご「ああ！！シューが！」


あ〜、シューがしぼんじゃった。

オーブンは開けちゃダメだよ…。


樫野「アホか、お前！シューが焼きあがりきるまで、オーブンを開けないって基本だろ。」

いちご「…。」



しかもそのあと転んで大変なことになっちゃった。

それに中島さんたちからいろいろ言われてる。

大丈夫かな…？








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スイーツって、どんな気持ちで作るんだっけ。

そんなこと、最近は考えてなかった。


「ホイップ。ホイップはスイーツをどんな気持ちで作っているの？」

ホイップ「えっ。…そうね、食べてもらう人のことを考えているわ。」

「食べてもらう人のこと？」

ホイップ「ええ。気持ちをこめないで作ったスイーツは美味しくないわ。食べてもらう人がどんな

風に思ってくれるのか、どんな風に思ってほしいか、それを1番に考えているわ。」

「そうなんだ…。」

ホイップ「どうしていきなりこんなこと聞いたの？」

「今日の花道の授業で聞かれたじゃん？スイーツを作るときにどんなこと考えているかって。それ

がわからないの。昔、アンリ先生に言われた記憶があるんだけど、忘れちゃって…。」

ホイップ「けど、アンリ先生に言われたことが全てじゃないと思うわ。それは人それぞれ違うもの

だから、AはAなりの答えをみつけないと。」

「そうだよね。あっ、あれ！いちごちゃんと花房くんだ。」

ホイップ「本当ね。打ち解けてるみたい。」

「だね〜。邪魔しちゃ悪いから戻ろ？いろいろ考えたいこともあるし。」

ホイップ「わかったわ。」



スイーツを作るときに考えてることか…。

聖マリーに入学した当初は楽しく作ってたよね。

けど、日本校に転校してからは、もっと上手くなりたいって思ってスイーツを作ってた。

それがダメなんだ！

なら…。あっ、そうだ！



「ホイップ、私、初心にかえることにした！」

ホイップ「えっ？」

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