スリール～笑顔～【夢色パティシエール】 (ページ32)

今日:50 hit、昨日:3 hit、合計:200,003 hit

Story.29 ページ32

はぁ…。

やっぱり悩みがあるときはここに来ちゃうんだよな。

私が今思ってることって、人として最低だよね…。

中島さんたちのこと言える立場じゃないよ。

いちごちゃんがたくさん努力をしてるには知ってるよ？

けど、私は才能がないなりにもっと努力してきた。

2、3日寝ないときだって普通にあった。

どうして、どうして私には才能がないんだろう…？

麻里「A？」

「あっ、麻里ちゃん。」

麻里「どうかしたの？元気がないわよ？」

「麻里ちゃんには敵わないや。ちょっと、悩みごとがあってね。それよりも、ケーキグランプリ

の話、返事してもいい？」

麻里「ええ。」

「先に結論を言うとね、麻里ちゃんとケーキグランプリにはでれない。ごめんなさい。」

麻里「…。」

「私ね、またパリ本校に留学することにしたの。」

麻里「えっ？」

「留学といっても今回は短期留学。私、アンリ先生からもう一度学びたいんだ。だから、ケーキグ

ランプリに間に合うかわからないの。本当にごめんなさい。」

麻里「謝ることではないわ。Aがそう決めたなら、私は応援するわ。」

「麻里ちゃん…。ありがとう！ケーキグランプリ、絶対優勝してね！」

麻里「ええ。それで、悩みごとってなにかしら？私でよければ相談にのるわよ？」

「…今ね、同じクラスにすごい才能がある子がいるんだ。その子は私が時間をかけてできるように

なったことを、すぐにできるようになっちゃうの。私、いつその子に抜かれちゃうのかって考える

と怖くて。それでどうして私には才能がないんだろうって思っちゃってる。簡単に言えば、嫉妬

かな？」

麻里「私も同じだったわ。」

「えっ？」