■幸せで ページ5
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「ねえ、泣きすぎでしょ
体の水分全部涙で出ちゃったんじゃない？」
『かわいい、ありがとうA、頑張ったね、お疲れ様、生まれてきてくれてありがとう、』
「落ち着いて。はいはい、水飲んで」
無事出産を終え、部屋に戻り、ベッドでゆっくりしている。
インスタグラムでの出産報告をし、つい先ほど私の女優人生を卒業したところだった。
突然引退を発表して、芸能界への区切りをつけたことは、ファンの方々にとても申し訳ないことをしてしまったと思っている。
でも妊娠が分かった時、このお仕事を駆け抜けてきた人生を振り返って、一度家庭に入って過ごすのも悪くないなと思った。
引退を考え始めてから事務所に相談して、仕事を徐々にセーブし、まず出産への準備を整えた。妊娠に対して事務所はとても手厚いサポートをしてくれた。家には社長から送られたベビー用品がたくさんある。流石先輩ママ、仕事でもとっても頼りになる女社長だった。
本当に引退する直前まで沢山沢山悩んで、彼にも相談して、何度涙を流したか分からない。彼はその度に抱きしめ励ましてくれた。
それでも彼は
『Aが決めたことに不正解はないよ。俺が全部正解にしてやるから大丈夫』
と言ってくれた。とっても背中を押された。本当に感謝している。
そんな彼は感動で涙が止まらないみたい。
泣いてるとこ久しぶりに見たな、ちょっとおもしろい。
『A本当にありがとう。頑張ったね』
そう言って頭を撫でる彼を見つめ、抱きしめた。
隣のベビーベッドで寝ている我が子は世界一かわいい。
「私と出会ってくれてありがとう」
『こちらこそ。
......あ〜、幸せすぎて、__________』
「私も」
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作者名：眠たい侍 | 作成日時：2024年1月18日 15時
