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「あの、テヒョンくん…」

TH「ん?」



恐る恐る話しかけるとお肉を頬張りながら

目を丸くして見つめられる。



「別にテヒョンくんを否定してるわけじゃないんだけど、その食べ方は違うんじゃない??」

TH「その食べ方って?」

「………ごめん、なんでもないや」



きっと教えたって理解してくれなさそうだから諦めた。



私は合ってるかもわからないまま

できるだけ丁寧にお肉を食べた。





TH「まだ時間ありますか?」



食べ終わってゆっくりしていると声をかけられた。



「うん…」

TH「ヌナを連れてきたいところがあるので来てください!」





名前も知らない高級車に乗せられ、

テヒョンくんの運転でどこかに連れていかれている。



少し高台になってきて、夜のソウルを一望できる。



ネオンと喧騒が入り交じったソウルは

愉快でありながら、切なさがあった。





TH「着きました!!」

「……わっ、すごい!」



テヒョンくんが連れてきてくれたのは野原。

一面に白い胡蝶蘭が咲いていて、

美しい花弁が月光に照らされ輝いている。



「こんなところあったんだ…」

TH「デビュー前から悩みがあったらヒョンたちとここに来て、泣きながら話し込んだりしたんですㅋ」





そっか、テヒョンくんはアイドルなんだ。

さっきの食べ方といい私へのアピールといい

良い意味で気取ってなくて話しやすい。



高校時代とかモテまくってたんだろうな…



TH「ヌナはやっぱり綺麗ですね」

「…へ?」

TH「……ふふ」



驚いてテヒョンくんを見ると

魅力的な三白眼で私を見つめていた。



「う〜さむっ」と縮こまっているところは子供だけど、

ふと出てくる大人っぽさがズルい。





胸の奥が、ギュッと縮まった気がした。
 
 
 

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作者名: | 作成日時:2022年11月23日 19時

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