ランシェットは君と一緒に【A3!】 (ページ11)

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いつだって、君と。ページ11

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口に入った途端、ふわりと溶けていくのが分かる。慌ててポルボロンを3回言おうとするけど、間に合わずに溶けてなくなった。

「……溶けちゃった」
「あ～…」

彼は残念そうに眉を下げる。それから自然な流れでお菓子を食べて、頬を綻ばせた。

「…あ、良いこと思い付いた！」
「…？」

嬉しそうな表情をしたかと思いきや、彼は顔を近付けてくる。身体を引く間もなく、音を立てて軽く重なる唇。

「俺の幸せ、分けてあげる！」
「……はは、なにそれ」

彼の考えに乾いた笑みを漏らした。

ニコニコと笑う斑鳩くんはいつだって素敵で、優しくて、三角が好きで、
＿＿私の好きなひとだ。

「…そろそろ帰らなくてもいいの？」
「ん～。まだAといる！」

キスだってするし、手も繋ぐ。なのに彼の口から"好き"だと言われたことはない。かと言って私だって好きだと言ったことはないから、お互い様かもしれないけど。

「………斑鳩くん」
「なぁに～？」

ただの好奇心。思い立ったらすぐ行動の言葉みたいに、ふと、思ったから。

「すき、だよ。斑鳩くんのこと、すき」

手を握りしめる。彼を見られなくて一心に橙色に染まる海を見つめた。

「…ほんとに？」
「ん、ほんと」
「俺の事？」
「うん」
「三角より？」
「…うん」

戸惑ったような声音に、不安に蝕まれていく私の気持ち。

告白なんて生まれて此の方したことがなかった。好きな人が出来ても想うだけで、努力も何もしてこなかった。

だけど、斑鳩くんは違う。一緒に死ぬまで隣で笑って居たいって思った。この人と付き合う為なら何でもするって思った。

「…私に、幸せ分けてくれるんでしょ」

最初の告白がこれだなんて。
あぁ、嫌な奴だなぁ。

じんわりと、目尻に涙が溜まっていくのが分かった。