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『A〜っ！』
｢え、名前。｣
『ママ？』
扉の向こう側から私の名前を呼ぶ声がした
さっきの男性は私を知っているらしい
誰だ…
風呂場から様子を見に来た娘を後にやって
また玄関へ近づく
ドンドンドンドンドンドンドンドン！
『A〜！』
｢なんなの怖すぎ…｣
また穴から除いてみる
｢え｣
向こう側にはもう男性の姿が無かった
なのに、弱々しくはなったがまだ声は聞こえた
『A〜…A〜っ』
｢きもい...｣
『俺だよ…ごめん…A…うぇ』
｢誰…酔っ払いじゃん。はあ迷惑｣
『俺だよ…ねえ、テヒョン。A…』
｢え？｣
ガチャ
この時、
その名前を聞いた時、
内心に潜む思いが扉に手をかけたのではなく
『思わず 開けてしまった』と
言い訳にもならない言い訳をさせて欲しい
頬を刺す外の冷気が容赦なく入り込む
冷え切っていた廊下がまだマシであったことを思い知らせる
下にしゃがみこんでいた彼が立ち上がり
壁に手をつけてしんどそうに白い息を吐く
鼻に通る空気は気持ち良いほどに清潔な感じがしたのに
彼の吐息の度にアルコールの匂いがして気持ち悪かった
『A...やっと見つけた(笑)』
「なんで、ここっ」
『はあ、なんていうかな。酒の力？へへっ』
「ベロベロじゃん...」
『ごめん、迷惑だった？』
「...当たり前でしょ？せめてシラフでお願いしたいわ」
『タバコ切らしたの』
「は？それより、なんでここがわかったのってば。もしかしてA子」
『アーーーー違う違う、A子さんは関係ないよ』
｢じゃあどうして｣
『顔の広さ舐めないで』
｢はっ？誰に聞いたのよ｣
『ああ、ねえ。こんな状態で知り得たことなんかすぐ忘れちゃうよ
もうこれで終わり、もう来ないから今はちょっと話させて』
彼は異常でもあり正常でもあることを次々口にする
それにいつも丸め込まれてきたような
きてないような
『ねえ？A。入っていい？』
今ここになんの前触れもなく 不意に訪れた
日々会いたかったけど 会ってはいけない気もした
どんな意図であのコンサートの日
過去の存在である私を認めたのか
こんな生活で望まない答えを聞く必要もない
でも少し楽になれるのなら
楽になっていいはずだ
なにも、恋しくてたまらなかった彼が
『もう来ないから 今は』と言うのであれば
拒む理由はないはずだ
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JiHi1204(プロフ) - すごく、胸にきます…更新楽しみしてます(*^^*) (2018年10月20日 19時) (
レス) id: cd3609355b (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - プラスチック製さん» お返事ありがとうございます(*^ω^*)色々とお忙しいと思いますのでご無理はなさらないでくださいね^^更新とっても楽しみに待っております！ (2018年10月9日 13時) (レス) id: 96ec3bb179 (このIDを非表示/違反報告)
プラスチック製(プロフ) - alexandrite_bbcさん» コメントありがとうございます！たいっっっっっっっっっっっっっへん遅くなってしまって、申し訳ないです。これから次々更新頑張りますので、ご愛読お願いしますm（＿＿）m (2018年10月9日 12時) (レス) id: 62d31a9840 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 更新待ってました^^ (2018年10月9日 12時) (レス) id: 96ec3bb179 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - プラスチック製さん» 早速なん年前……と書かれていて、すごくわかりやすかったです！！もちろんです！頑張ってください！ (2018年3月7日 18時) (レス) id: c78f3d5d68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラスチック製 | 作成日時：2017年10月27日 19時
