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何拍か置いて、刀也が言った。
「…いや、違う。生きて欲しいとかそんな生温いもんじゃない。死ぬな、生きろ。まだあなたは生きていられる」
「……は、」
なにかがプチンと切れるような感覚。その瞬間、今までの鬱が吹き飛ぶくらいの大きな声が出た。
「なに…？自由に生きろって言ったのはそっちでしょ！？なんで死ぬってなったら急に口出ししてくるの？私は、私のやりたいようにやってるだけだから！！」
「……あのなあ、僕が自由にやればいいって言ってたのはそこでした失敗も糧になるって思ってるからだよ！！」
言葉と言葉での殴り合い。どこも痛くないはずなのに、全身が切りつけられたような痛みを感じる。
「死ぬっていう失敗は糧にならねえんだ！！死んだら全部そこで終わり。糧もクソもねえ」
「ちがう、違う、そんなことないから！！わたしは、わたしは、どうしようもなく生きてるのが辛いの！！」
「あなたが辛い思いをしているのはよく分かってます。でも、僕がどれだけあなたを大切に思ってるのか分かるか？大切な人に死んで欲しいわけ、ないだろ、」
「……っ、もう、しらない」
涙でぐちゃぐちゃになった顔のまま、自分の部屋を出て玄関のドアを開けた。「っおい！！」という声が聞こえたけれど知らないフリをしてひたすらに走った。
ああ、もう刀也なんて知らない。このまま私が死んでしまって後悔すればいいんだ。
そう思いながらも、だんだんと安心感が増していく自分がいた。……気づきたくなかった。いや、最初から気づいていたのかもしれないけれど。
きっと私は、生きていていいという実感がほしかったのだろう。だから刀也に死にたいということを言った。私の行動に干渉しない刀也に死ぬことを否定されたらきっと安心できると思ったから。
死にたいという気持ちは本物だったけれど、生きたいという気持ちも本物だった。きっとそう。
「……ぁ、はあ、はあ、」
「…とうや」
いつの間にか追いついてきていたらしい。肩で息をする刀也が私の体を抱きしめた。
「ごめん、言いすぎた」
「ううん、いいの。刀也がああ言ってくれたから、わたし、まだ生きようって思えた」
「ほんと…？なら良かったです。あなたがいないと、僕の人生設計が狂う」
「ふふ、それって死ぬまで一緒ってことでいいの？」
「なんか言い方が重いな！まあそうですけど！」
好きだ、と思った。刀也となら生きていけると思った。
きっと、私は大丈夫。あなたがいる限り。
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ももすけ様リクエストの『喧嘩』でした！イメージと違ったら申し訳ないです。
何度も通知を送ってしまいすみません🙏🏻
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ひなり(プロフ) - 豆腐ちゃんさん» ありがとうございます〜！！不定期更新ですがこれからも頑張りますね💪 (2023年3月7日 1時) (
レス) id: b9c573f425 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ちゃん - 大好きです！！！！応援してます！！！！ (2023年3月2日 22時) (レス) @page9 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - 雪山さん» リクエストありがとうございます！花火大会……ちょうど最近行ったところだったのでタイムリーで嬉しいです👌 (2022年8月29日 13時) (レス) id: b9c573f425 (このIDを非表示/違反報告)
雪山 - ぁああぁぁあ！！好きだ！！！！何回も繰り返して見ちゃってます……！もしよければ、花火大会に行く話とか見てみたいです……！応援してます！ (2022年8月29日 2時) (レス) @page8 id: 87b04c2d83 (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - ももすけさん» リクエストありがとうございます！あんまり喧嘩は書いたことがないのですが頑張りますね〜💪🏻 (2022年8月28日 18時) (レス) id: d80cdc7bcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひなり | 作成日時：2022年8月28日 0時
