依存性13 ページ15
帰宅した私は、彼に外へ出た事が知られぬ様に先に入浴を済ませた。
濡れた髪を乾かそうとドレッサーの前に置かれたスツールに腰を掛ける。
ドライヤーを手に持った時、私の心臓が大きく脈打った。
鏡に映るのは、私の直ぐ後ろに立つ龍之介だった。
何時から居たのだろうか。今まで全く気配を感じなかった私は暫くは固まっていた。
A「……おかえりなさい、龍之介。」
彼は無言のまま、白百合の様に白く細長い指を私の髪に絡ませる。
龍之介「今日は何をしていた。」
鏡越しに、長い睫毛に縁取られた龍之介の瞳と視線が合わさった。
落下された質問にびくりと肩が震える。
A「……今日は、龍之介に新しく貰った本を読んでたの。」
嗚呼、初めて彼に嘘をついてしまった。
外へ出た、なんて知ったら計画が凡て知られてしまう。
龍之介「……そうか。」
彼の眼が細められる。
其の動作さえも雅で妖艶なのだから、私の心臓は一際大きく脈打つ。
140人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴葉ちゃま - なんかこれ見てたら私も芥川に依存されたいなあって思いました。あととても面白かったです!続きかいてほしい (2023年2月25日 21時) (レス) @page16 id: cbdf318171 (このIDを非表示/違反報告)
dream(プロフ) - はじめまして!依存してるやつがれ可愛すぎて最高です…! (2023年1月12日 16時) (レス) id: 341cfb323f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - ア、等々龍と虎が闘うのか。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - もう如何なっても良いや、エイ! (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - だよな。甘いのは。甘過ぎるのは一寸…だね…。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:日名無 りん | 作成日時:2020年2月17日 23時