依存性2 ページ4
彼は指先で頬に伝う私の涙を優しく拭うと苦しい程に深い接吻を落とした。
次から次へと角度を変えて合わさる唇。口内で私を拘束する舌は砂糖の様に甘くて熱い。
龍之介「僕だけのA……。お前を誰にも渡しはせぬ。」
彼は口許に下弦の月を浮かべてニヒルな表情を作った。
其の美しい貌は、まるで悪魔宛らの獰悪な笑みを貼り付けている。
龍之介「……印が薄くなっているな。」
私の首筋を指で撫でた彼は次の瞬間、首筋に鋭く牙を立てた。
歯が皮膚を突き破る感覚と耐え難い痛みが、私の脳を支配する。
陶器にも勝るとも劣らない、白百合の様に白い彼の肌。
其の白い肌、彼の口許は深紅の彼岸花から色を採った様な鮮血で汚れていた。
龍之介「Aの血は甘いな。」
A「………。」
龍之介「愛している。僕だけのA。」
彼を、龍之介を、浮世に住まう万人達は何と謳うのだろうか。
狂人?精神異常者?何方にせよ『正常』だと思う筈は無い。
A「私も……。」
けれど私は
A「私も愛してるよ。」
彼、芥川龍之介を世界の誰よりも深く愛している。
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琴葉ちゃま - なんかこれ見てたら私も芥川に依存されたいなあって思いました。あととても面白かったです!続きかいてほしい (2023年2月25日 21時) (レス) @page16 id: cbdf318171 (このIDを非表示/違反報告)
dream(プロフ) - はじめまして!依存してるやつがれ可愛すぎて最高です…! (2023年1月12日 16時) (レス) id: 341cfb323f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - ア、等々龍と虎が闘うのか。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - もう如何なっても良いや、エイ! (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - だよな。甘いのは。甘過ぎるのは一寸…だね…。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2020年2月17日 23時