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七話 偽造 ページ7

side涼真

もはや世界からは亡き者として認識されている自分は、どう動けばいいのか。

カップの中のコーヒーの水面に、自分の力無さげな顔が映る。

…お前はもう死んでいる。

世界が自分にそう訴えている気がしてままならなかった。

けれどこのままであれば愛しい愛しいA
はずっとあの狂人の元にいる。
それだけは絶対に耐えられない。
耐え切れなくて、反吐(ヘド)が出る。

それに…………………あの人の想いを、無駄にしてはいけない。

それだけは絶対に………………

しかしどうすればいいのか分からないままでいる。
どう出ればいいのか。

頭を悩ませている俺の頭上から、ふんわりとした声が落とされた。


「自分を偽造してしまえばいいよ。」


上を見上げると、月夜さんが何か企みのある笑みを浮かべていた。

涼真「偽造……?」

月夜「そう、偽造。」

そう言うと彼は何処に隠し持っていたのか大量の身分証明書を俺が座っている黒いソファに落とした。

それら全てには、彼の硝子細工のように美しい顔の写真と知らない名前が記されていた。

貼られている写真は全て同じだが名前は全て違う。

柊トオル
川原ケイスケ
我妻ユウタ
鹿島ヒロカズ
中村カズヤ

知らない名前だらけだった。

まるで自分の本当の名を忘れてしまいそうなくらい………50枚………いや、100枚は軽く超えているだろう。

涼真「これ全部偽造なんですか?」

月夜「まあね。」

彼は自信ありげに笑った。

八話 黒崎 雫→←五話 僕の願い



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日名無 りん(プロフ) - ふわさん» ありがとうございますっ!!はい、月狂のイメージ画です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - このシリーズ大好きです!十四話のイメ画は月狂ですか?? (2019年9月26日 22時) (レス) id: 52abb0a881 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - あ、やばっ「」つけんの忘れてた (2019年8月19日 19時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» 本当の幸せはその者しかわからないぞ。そうか…ならばこの先を行くことだそうすれば君に幸福が現れるであろう。 (2019年8月9日 13時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» 「恨まれるのは…僕も怖いよ。だけどあの悪魔の所にいちゃ、お姉ちゃんは本当に幸せにはなれないんだ。僕はお姉ちゃんが心の底から幸せになって欲しい。その為なら、この僅かな躊躇いも飲み下せるよ。」 (2019年8月8日 16時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年7月23日 23時

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