あの日に戻れるなら。【 srr 】

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「来週からともちゃんと旅行行ってくるんだけど、」

「え、彼方のお母さんと？」

「そう。でさ、ひとりでいるのあれだと思うしその間ともちゃんの方の家で過ごしてくれない？」

「……期間は？」

「1週間」

「は！？」




突然告げられたお母さんたちの旅行。

そして彼方との共同生活。


のほほんとした顔でお母さんは言ってるけど、もう私たちが高校生であることを分かっているのだろうか。

そういうことだって、わたしはしたことはないけどどういうものなのかくらい分かってるつもり。


私たちはもう子どもじゃないのに。




「……マジ？」

「マジに決まってるでしょ、とりあえずよろしくね」

「えー……」




それじゃともちゃんと旅行の話してくるから〜、と家を出ていってしまった。本当に私をなんだと思っているのだろう。


……こんなことを言っておきながらだけど、正直に言って彼方とお泊まりできるのは嬉しい。

昔は特に用事がなくてもお互いの家でお泊まりしていたし、お風呂も一緒に入って一緒に寝ていた。


この年になってまでそんなことをするつもりはないけど、それでも一抹の不安があるのは事実。




「はあ……」




私たちはもう子どもじゃないのに。子供じゃいられないのに。大人にならなくちゃいけないのに。

ぐるぐると頭の中を駆け巡る。


好きだという理由だけで一緒にいられないのも、一生一緒にいられないんだろうということも分かってる。だから、だから。




「すき、なのに」




言葉とともに、涙もこぼれた。




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