ねぇ、松倉先輩

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随分と松倉先輩の部屋に私のものが増えたな




「そういや、コップ一個割れちゃったから新しいの買った」

「Aのやつも新しくしといた」





その言葉に単純な私はきゅんきゅんが止まらなかった

私の、専用のコップをわざわざ用意してくれることも


松倉先輩の日常に、私を思い出すことがあるってことが嬉しかった。





「さっきの話だけど、俺もちゃかの言ってることわかる」



「はい？」



「…お前のこと好きな奴、いるってこと」



「ちゃかちゃんはああ言ってましたけど、もう違うよって前言ってました。」







お酒を飲む手が進む。
そうじゃねえよ、って松倉先輩

なんとなく、元彼のこと知られたくなかった。
ちゃかちゃんめ、なんで言っちゃったの





「俺はちゃかはまだ好きだと思う、Aのこと」



「そんなこと、」



「ちゃかに手ぇ出された？」








あの時のことが、チラついた。



ピアスを開けてもらった日、キスされたこと







「何もないです、」



「キスでもされた？」



反射で、すぐに首を振った









「下手くそ。A、嘘つく時耳触る癖あるよな」





私の右手は、無意識にピアスを触っていた。





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