ねぇ、松倉先輩

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「Aってモテるね、って話してた」
　


「話盛りすぎです」



「誰に？」



「元彼とか。…俺とか？」




「は？」 「え？」




「松倉さ、前も言ったけどAは別に松倉のじゃないだろ笑

じゃ、俺飲み会あるから帰るわ」







結局チーズケーキはちゃかちゃんがご馳走してくれた


家までの帰り道、送るって聞かない松倉先輩を私は見れなかった。





「なんか今日静かじゃん」



「そ、そうですかね！元気ですよ！」



「…今日は好きって言わねーのな」





黒い前髪から横目に私を見てきてすぐ逸らされた







「…スーツも、黒髪もかっこよくて好き、です。」



「惚れ直しちゃった？」





意地悪な顔で覗き込んでくる松倉先輩は、
いつもより少し幼くて






「でも、最後のライブは青く染めて歌いたかったなーって思ってたんだよね」




「あと、少しですね。ライブ楽しみです
…私もその、ライブの後お話があります」




「…ん。ちゃんと来てね、ライブも。その後も」








4月、夜風はすっかり春の香りがしていた。



　





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