ねぇ、松倉先輩

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「Aは、特別」





ずるいよ。









「…木村って呼ばないんですか」




「…ちゃかには呼び捨てされてもそんなこと言わないくせに、俺はだめなの？」




「、ちゃかちゃんは最初から呼び捨てですもん」




「Aやなの？」






嫌なわけ、ないじゃん。わかってるくせに
ずるい、ずるいずるい






「…今度の、春の新歓ライブのあと。話あるから空けといて。」




「話ってなんですか？」





見上げたら相変わらず綺麗な顔で「やっとこっち見たね」なんて、力なく笑う松倉先輩






「その時話すから、それまで秘密」




「なんですかそれ、わたしまだ怒ってるんですけど」




「ごめんねAちゃん」




「俺本当に、Aしか…いないからね。ちゃんと言うから。待ってて」





意味深な言葉を残して、

私の頬をむにむにしてくる松倉先輩のこの意地悪な顔、それすらときめくくらい好きなの





「なんかうまく丸め込まれた気がします。」




「そう？つか、何先にカフェ行ってるの。しかもちゃかと」




「なんですか！自分の胸によく手を当てて考えてください」




「…まじごめん。でもちゃかとってのが、やだ」






松倉先輩。

…やっぱり少し期待しても、いいですか？






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