シルバーアクセサリー

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家に着いて、インターホン押しても全然応答がなかった。なんでこんな焦ってんのか俺もわかんない

なんとなく、会わないといけない気がした。





もしかしたらいないのかも、って思って引き返そうとしたらマンションの人が出てきて、強行突破。すり抜けられたから部屋の前まで行って、直接インターホンを押して。ノックをした





ドアを開けたAちゃんの左頬は腫れてて、

何も教えてくれないけど絶対何かあったって直感。

大丈夫っていうけど、その手首が赤いのとか鎖骨についてるキスマークとか嫌な予感がよぎった。




「…痛い？」


そう聞いたら、涙を溜めていく
のくせに「干渉してこないんじゃないの？」ってどこまで頑固で意地っ張りなんだよ








観念したのか、ぽつぽつ話し始めた内容は想像してたよりも胸糞の悪いもので。

そいつのことが心底憎くて、



でもこんな時にも人に頼らないのかよ。頼れよ


頭を撫でたら大きな瞳から涙がこぼれて。








物に罪はないって言ったけど、この忌々しいリングを指から抜き取って

俺のシルバーリングを上書き、ってAちゃんの指にはめた
俺のお気に入りのアクセサリー









泣いてる君に上手い言葉はかけられないけど







甘え方、わからないなら教えてあげる。








俺のシルバーアクセサリーを見てよくわからないって表情で涙を拭く君を、抱きしめた。






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