君には言えない。 (ページ45)

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一歩前進ページ45

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言葉にする前に、体が動いた。

抱きしめた後に伝えたんだ

「俺、Aちゃんのこともっと知りたい。知ってほしい」

「…私も、話したいことあるの。」

その話したいことって、俺にとっていいことなのか

悪いことなのかわからない。

Aちゃんは話しやすいけど、どこか一歩引いてるような。

Aちゃん、何か隠してるのは気のせいじゃないよね

たまに少し悲しそうにする、

俺、君の全部受け止めるよ。

聞くのは今じゃない。

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部屋まで送って、

玄関前でココアを渡してくれた。

このココア、あの時から気になってたから嬉しい。

　

別れ際、

早口になってドアを閉じようとする君の手を

包んで。

" 嫌なら拒んで "

拒んでこない。

それだけでも気持ちがわかるのに

好きと言う言葉がないとわからない。

…それは俺もか。

唇が離れた後の表情を見るのが怖かったから、そのまま抱きしめた。

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「…さみ。」

オフもすぐ終わって夕方から稽古。

もらったココアを控え室で飲んで、あの時を思い出して頭を抱える。

…やっちゃった。やりすぎた

「ココアもーらい！」

「おい、熱いから」

マグカップを元太の手から受け取る

「うま～あま～！Aの家で飲んだやつと同じ味する！どこの？」

なんか引っかかる、

「鍋した時、ココア飲んだっけ。」

「飲んでないよ。鍋にココアはないわ」

「じゃあ、いつ…」

「秘密～！…おい、顔怖いって笑

Aんち、海斗が寝てる間行ったの。その時、飲んだ」

「俺、Aにキスした」

思わずこぼしそうになった

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