10センチ ページ35
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「松倉くん、キスマークって言葉知ってるんだね」
「バカにしてんじゃん、何だと思われてんの俺、笑」
「ピュアな22歳の男の子」
「褒めてる?」
「褒めてるよ」
ならいいや、って笑う横顔がやっぱりかっこよくて。
一度離れた視線がまた交わる。
「シャワー浴びてくる?」
「うん、自分の部屋で浴びてくるよ」
「ここでいいじゃん」
「……察しが悪いよ。その、下着とかあるでしょ!」
「…あ。えーと…、俺の貸そうか?笑」
笑わせないでよ、軽く肩をパンチしたら痛え痛えって大袈裟なリアクション。
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自分の部屋に戻って、スキンケアとココアと下着を持って15階に戻る。
なんか変な感じ。
「おかえり」って松倉くんがドアを開けてくれる。段差気をつけてねって言われた時にはもうこけそうになってた。
あぶねっ、って声。
松倉くんの右腕に捕まって転ばずにすんだ。
「ごめ、ん。掴んじゃった」
「ん、大丈夫。」
至近距離。
パッと腕から手を離す。
「俺と10センチくらいちがうね。身長」
「雑誌でさ、俺と付き合ったら背伸びしなくてもチューできるよって言ったことあるんだけど。」
「Aちゃんやとは背伸びしないと、できないかもね。」
「…俺からチューすれば、背伸びしなくていいけどね、」
風呂こっちって案内してくれる。
私の顔が赤いこと、気付いてるはずなのに何も言ってこない。
そんな松倉くんの耳も赤いの
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作者名:ひなぴ | 作成日時:2020年12月4日 12時