優しい声 ページ31
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あっという間に3月下旬。25日の月曜日
仕事もバタバタして理不尽に怒られることが増えて。しがみついても、ダメって一言で全部0からやり直し
耐えどきだな〜って、毎日の電話だけが心の支えで。
「木村さ、お前やる気ある？お前いらない」
先輩の理不尽さにも慣れた
「やっといてこれ。どーせ暇でしょ」
慣れたよ。
「あいつなんでもはいはい言ってくれるから、使いやすい女だわ。夜も都合良さそうじゃね？」
慣れたと思ってた。
18時、今日も定時には帰れない。
明日は有給消化でお休みだからもうどうだっていい。
22時を超えて、会社から出た瞬間涙が出た。
無意識に松倉くんに電話をかけて、ワンコールで慌てて切った。なにしてんだろ
私から電話はかけないって勝手に1人で決めたルール
今年2回目の、海浜公園。
ベンチに座ってココアを飲んで。ぼーっとする
涙がまた出てきて、もう夜だしメイクもボロボロになってもいいやってやけになる
松倉くんから電話が来て、心が廃れてて
少し気が乗らない。
「もしもしっ、電話ごめん、遅くなって。お疲れ様、どしたの？」
「おつかれさま、ごめん。間違えてかけちゃった」
「今外いるの？」
「うん、さっき仕事終わって」
松倉くんの声、安心する。私いつから泣き虫になったんだろう
「今どこいんの？」
「もう、家に向かってるよ」
また嘘をついた、松倉くんは優しいから心配しちゃうから。
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作者名：ひなぴ
| 作成日時：2020年12月4日 12時
