癒される ページ19
.
Aちゃんは話しやすくて。
ストーカーのことも、仕事のことも、普通に話していた。
アイドルをしてることも伝えても、特に反応はなくて
聞き上手。
変な相槌もないし、押し付けがましい意見を言ってこなくて
メンバーと話してる感覚に近いけどちょっと違う
なんかマイナスイオンでてる?
癒される。
図々しくタメ口使ってみて、仕事仕様の一人称も取っ払って。本音がでて、
あっという間に時間がたった。
驚いた顔見たくて、同じマンションって伝えてみる。
そんなペラペラ話したら危ないって、注意されたけど
なんか言っていい気がした。
いや、知っておいて欲しいって思った。
言いふらすような子じゃないって
いい子だってわかったって伝えたけど、あんまり嬉しくなさそう。
Aちゃんがストーカーいないか見にいってくれてる間に、ちょっと緊張がとけて
机に項垂れる。
住所伝えたり、結構いろいろ話したけど
プロ意識低いわ…
ちょっとやりすぎたかな。
でも、ちょっと運命みたいなんて思ったんだ。
あの公園でたまたま、ぶつかって
携帯取り違えて、会ってみたら同じマンションで。
Aちゃんの瞳、見た時から一瞬で惹かれた
一目惚れとは違う感覚かは分からない。
ただ、まだ出会って間もない君のことを知りたくてたまらないんだ。
.
携帯のバイブレーションが聞こえて、元太からの電話。
おれ寝落ちしちゃったんだ。
掛けられた毛布、ソファでまるまって寝てるAちゃん。
きっと気を利かせて起こさないでくれたんだろうな。
まだあったかい毛布をかけて、前髪に触れて
もっと知りたいよ、
松倉くん、ってちっちゃな声で君は返事した。気がする
顔に熱が集まってくる
またね、Aちゃん。
.
1199人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなぴ | 作成日時:2020年12月4日 12時