同じ場所 ページ15
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時間は2時を過ぎていた。
「そういえばさっき、家の鍵忘れたって言ってたけど…大丈夫?」
「友達、さっき話した元太ってやつの家に荷物あんだけど、鍵もそこに置きっぱなしにしちゃってさ」
松松だ、ってオタク思考発動してたら
「…俺さ、ここの15階なんだよね。」
「え?」
「俺の家」
「なんかちょっと運命感じない?」
って笑いかけてくる。
爆弾だ、こんなのって。運命だなんて、甘くて残酷な言葉だよ。
「ジャニーズなのに、そんな家のこととか話しちゃ危ないよ」
ちょっと笑ってつっこむ。冷静に見えるでしょ?心の中は大運動会。
公園で会った時、ここら辺に住んでるのかなって勝手に考えてたけど。同じなんて思わないじゃん
「Aちゃんは言わないよ。いい子って分かったから」
真っ直ぐな瞳。
嬉しいのに、嘘をついてる事実が脳裏にあって。
全然いい子なんかじゃないよ。
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松倉くんが家に来てから1時間はたった、
危ないから私がエントランス見てくるねって外に出る。
…あ、もういない。よかった。
「松倉くん、女の人いなかった…よ?」
机に伏せて寝てる、どうしよう起こす?
疲れてんだろうな。
毛布をかけて、ソファに沈んで、一息。
今日はなんか疲れた。
ずっと緊張して、夢みたいで。
朝起きたら、ソファの上で。毛布がかかってた。
寝落ちした
松倉くんは居なくなっていた。
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作者名:ひなぴ | 作成日時:2020年12月4日 12時