フープピアスに触れたくて

溢れる、 ページ44

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「俺、このYouTuberはまってんの。」





「まって、めちゃくちゃ美味しそう…最近アヒージョ食べてないな」







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さっきまでのちょっと甘い雰囲気はどこに行ったんだろう、



いつもの癖で携帯を充電して、お気に入りのYouTuberから更新の通知がきて




そこから2人で動画を見てるんだけど、





宮近オススメの料理系のチャンネルが、ほんとに美味しそう。
あ、これ簡単そうだし作れそうだな









「ね、これ今度作ってみない？」





「あ、いいね。俺この料理の味絶対好きだわ」









肩が触れる。









横を向くと、ほんの数センチの距離に好きな人の顔があって









あー、ほんとに私 宮近のこと、好き。









初めて私から、キスをした。









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手に持ってた携帯は器用な手つきで奪われて、





天井と、宮近の顔で視界が埋まる。







目にかかる前髪、揺れるフープピアス。









好き、って気持ちを込めて

ピアスに触れたの。









　
宮近のキスに応えるのが精一杯だ







逃れられない。









苦しくて、幸せで、スウェットの胸元をきゅっと掴んだ。









「電気、消して、」






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