フープピアスに触れたくて

確信犯。 ページ21

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23:34


マンションの下まで着いた。寒かったよね？って心配そうな声、いつもなら大丈夫って答えるけど

今日は。今ここで帰ったら、関係を変えられないと思った。


コーヒー奢るなんて言ってきてくれたけど、それじゃいつも通り。


「……Aん家のコーヒーがいい。」



我ながら大胆に出たと思う。酔いは完全に覚めてた。









Aの部屋、2人っきり

作ってくれたコーヒーの味は冗談抜きで美味しかった。




終電大丈夫なんて聞かれて、時間を見てみる。あと30分以上ある

駅まで歩いて15分、全然間に合う。

間に合わないかも、嘘をつく。そしたらこいつお詫びにタクシー代とか言ってくるんだよ




少しは気付けって、まじで掴めない。




変な恥ずかしさとプライドが邪魔して、回りくどいことしてたけど全然ダメ。









「んー…じゃあAの家、泊めてよ。それでチャラ」






真っ向勝負じゃなきゃだめだ。


少し黙って何か考えてる顔。

きっと私のせいで終電無くなったしな、とか

泊まるのはでもな…とか考えてんだろう。




「ねえ、A。いいでしょ？」


意外と押しに弱いA。

俺のこの言葉には特に弱いことも、知ってる









ずるいけど、こうでもしなきゃ見てくれないだろ？

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