フープピアスに触れたくて

ないしょ ページ14

手は重なったまま、何分経ったかな



隣で規則正しい寝息が聞こえる。




ん…、って声が聞こえて ああ完全に寝てるなって。



こっちは君のせいで寝れないくらい感情忙しいのに。




ばか宮近。









.





フープピアスに手を伸ばす、伸ばした手は宮近のほっぺたに軽く触れてしまう




「ん…」





ピアスに触れる前に宮近の、重なってない方の手が私の身体を引き寄せる。




ゼロ距離、



シャンプーの香りに混ざった、宮近の匂い


やっぱり落ち着く匂い。




腕を振り解くことはいくらだってできた。

でもこのままでもいいかな、動いたら起こしちゃうしなんて言い訳つけて
そう思う自分はずるいかな。





宮近の耳に触れてみる。フープピアスはひんやりしてるけど、宮近の耳はあったかい



私の冷たい手で触っても、起きない宮近に安心して


なんでこの状況で寝れる余裕があるんだってちょっと思ったりして。





私も寝よう、宮近に包まれながら


そっと腰に手を回してみたりして。




今日だけ、今だけ。
恋人ごっこのような、このドキドキを味わいたかったの。






あったかいな、眠くなってきた


.






「………、」




宮近が起きてたことなんて気がつかなかった。



私が寝た後に、ほっぺに触れてきたことも




優しく抱きしめられたことも、知らなかったんだ。

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