隣人さん【wrwrd!】 (ページ22)

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22話ページ22

自分から言ったことなのだが、彼女に手料理を振る舞うというのはやはり緊張することだった。

「できたで。」
「おおおお、お料理普段からしないのにこんなの作れるの？絶対美味しいやつでしょ？これ。」

いただきまーす！と彼女は言うともぐもぐと食べてはじめて、
「私のより美味しいとか軽く落ち込むんやけど...。」
と言った。

「Aのために練習したんやで。ほかこんな作れへんわ。」

そう言うとなんとも形容し難い表情を浮かべてAはふふ、と笑った。

「また食べさせてね？」
「じゃあ、レパートリー増やさなきゃやな」
「ゾムが作ったならなんでもええわ。」

「あ、そうだ。私もゾムとしたくて練習した事あるの。」
「何や？」
「自撮り。こんなのやるキャラじゃないから上手くできなくて。」

スマホをいじって斜め上からこちらを写して構える。
「もー少し近く！」
充分近いんやけど。いや、無理やって！
そういう前に向こうからぐっと近くに来てパシャッと１枚取ったようだった。

「今日はぬいぐるみ取ったから熊！」
「なんかめっちゃ顔丸いでこれ。」
「いいでしょ」

自慢げな顔をした後いつものように、結局はゲームで大騒ぎなのだが、最後に一ついつもと違うことが起きた。

なんか集中切れてる気がするんやけど、と横を見るとかっくんかっくんなりながら彼女はゲームをしていた。

「もうやめるか？」
「やる、もう少し。」

そういうので続けてみたのだが、最終的に彼女は寝て、こちらにパタンと倒れてきた。
肩にもたれかかっていたのだが、少しすればずり落ちて膝枕になった。

この姿勢から運んでも起きないんやろうか、起きてしまうやろうか？

そーっと離れて頭をクッションに乗せる。そして少しずつずらして運びやすい体制にする。
お姫様抱っこやん、と思ったが心配していたように起きることは無かった。

かわええな