【俺スカ】可愛い幼馴染みには旅をさせよ

story.24 ページ26

明智side









『ねえ、どうしたの』



明智「どうもしてないけど」



『嘘！絶対嘘だ！』







教室に戻ってからずっとこの調子



別々の場所にいる俺と東条を交互にチラチラ見ては俺に同じ質問してくる




絶対おかしい、なんかあったでしょ、教えてよ、

と口を膨らませてAは俺を睨んだ







『……喧嘩でもしたの』



明智「別に」







ふいっと顔を逸らすと、ハァ〜とため息をつかれた




東条の言ってた通り俺がやろうとしてることを知ったらAは悲しむだろうな


というか絶対怒る、間違いなく。




…でも賭けは終わってないし







明智「東条の事はAが気にする必要ないから」



『なにそれ…わたし東条くん好きだもん、心配くらいするよ』



明智「あそ。お前は俺と東条どっちなわけ？」







言ってすぐ後悔した、…しまった。



俺はまたこんなことAに言って

必死なのは俺の方だろ







明智「…嘘。なんでもな、」

『東条くんかな』



明智「、は？」







心臓が止まった気がした


今なんて？東条？





ショックすぎて何も言えなくなった俺を見て、

Aはふにゃっと笑った







『な〜んちゃって！秀ちゃんに決まってるじゃん！』



明智「…」



『いでっ。』







悪ふざけがすぎるAのおでこをデコピンした


額を抑えながら、焦った？なんて可愛く言ってくるA。



焦ったに決まってんだろ


…悔しいけど可愛い。可愛いから、俺も仕返し







明智「…もう知らね。帰る」







東条と帰れば？と鞄を持って立ち上がった


流石にガキ臭いとは思ったけど、こいつにはそれくらいが丁度良い






『あっ、あっ、まって、！？』






一切振り向くことなく教室を出ると、

Aが焦ったように追いかけてきた




…Aの本当に可愛いのはこういうところ、俺の特権でしょ。







『…秀ちゃん…？』



明智「何。」



『ごめんね、…怒ってるよね？』



明智「別に」







そう冷たく言い放って靴を履こうとすると、

ドンッ！と背中に体当たりをされた



驚いて振り向くと、ニコニコのA







『ふふ…秀ちゃんってば怒ってないくせに！』



明智「……、は？なに」



『実は結構機嫌いいでしょ！』







嬉しそうにそう言われて、全てがアホらしくなった


俺のやっている事全て。







『一緒に帰ってあげてもいいけど！』



明智「…調子乗んな」



『いでっ』


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