役不足 ページ10
目の前に広がる光景に、私は見覚えがありすぎる。
時は遡り、私がいつものように会社から帰って来た頃。玄関からでも聞こえる食器の音に全てを察した私はキッチンまで全力疾走した。社会人になってから運動したのは久しぶりかもしれない。
ごめんこの間サッカーしたわ。
いやまあそんな事は置いといて、問題はこいつらが今からしようとしている事にある。いつの間に買ったのか分からないエプロンを装着し、手は既に洗ったのか手術前の医者のように。
もうこれだけで分かる。
こいつらは、料理をしようとしているのだ。
「あ、Aおかえり〜」
「うんただいま〜それで君たちは何をしようとしているんだい？」
「見て分からないか？ったく笑わせるぜ」
「アメリカンなのやめろ」
こいつらは忘れたのだろうか。
私が一人暮らしを始めてやっと片付けが落ち着いたという時に、両手にレジ袋を持ってやって来たことを。ただでさえ疲れている時期だというのに余計な心労が増えると白目を剥いた事はいい思い出にはなりそうもない。
「料理作るわ」
と当たり前のようにこいつらはキッチンに立った。その姿はあの時と重なり、違う事と言えば───こーすけとヒラのサイズがアップした事だろうか。
「いや俺今日からダイエットするから」
「俺も！」
「ナチュラルに心読むのやめてもらっていい？」
その能力は健在なようだ。
結局作業の大半を私がする事になるのだろうと踏んでいたのだが、私に割り振られたのは塩胡椒を振ることと洗い物だけであった。
「何でだよ！！！！」
「ほらいいからAは座ってろって」
しぶしぶソファーに座ったが次の瞬間聞こえた声に秒速で立ち上がった。
「……肉って洗うんだっけ？」
「よしヒラ、その肉から手を放せ、よしそうだいいぞ、そうだいい子だ。手を上げて膝を付けろ、そのままだぞいいな？」
ヒラは素直に私が言った通りにしたがまたぽんと手を付いて立ち上がる。
「あっ、洗剤！」
私は無言でヒラを羽交い締めにした。こいつは駄目だ。ヒラには適当なボウルを与え裏返しにして叩いてろと言った。めっちゃドコドコ聞こえるけどまあ仕方ない、必要な犠牲だった。
その後家には焦げ臭い
机の上に並んだ料理は数年前と何ら変わらず、苦くて臭くてそれを笑いながら食べた。何も変わらない4人が愛しくて、何だか涙が出そうになった。
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NOA - 好きです！！ キヨくん大好きなのでもうキュン死にしましたーー！ (2021年2月1日 16時) (
レス) id: 699bf3c217 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - えっ好きです(((((は 会話文以外の文(語彙力)が面白くて好きですw (2020年6月20日 16時) (レス) id: f37d64b2a5 (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - ねむねむね〜むねさん» いつも有難うございます！たくさんのコメント頂けて本当に嬉しいです。ねむねむね〜むね様の優しいコメントにいつも励まされています。只今全作品の更新が大変遅れており申し訳ございません。これからもちまちま頑張って行きますので今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年9月8日 8時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむね〜むね - コメント失礼致します！デコピン王siorさんの動画の中でも自分のTOP10に入るくらいで人気なので嬉しいです〜！(？)siratama○さまの作品この前一気読みさせていただきました！全て文章の語彙力が…やばい。更新頑張って！ (2019年9月7日 21時) (レス) id: 94679e293b (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - ねむねむね〜むねさん» はじめまして！コメント有難う御座います。伸びたら嬉しいです（素直）rtrtさん含むuszwさんgtmnさんも どんどん出していく予定です！コメントとても嬉しいので語彙力が消し飛んでおり申し訳ないです。ご期待に応えられるよう努力致します！ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siratama○ | 作成日時：2019年7月29日 9時
