間一髪 ページ13
ある日、Aはペンを探していた。きっちりと片付けておいた筈なのに１つもペンが見当たらないのだ。紙を持ちながらうろちょろするのにも飽きて来た頃、机の上にさりげなく置かれたペンを見つけた。
何の疑いも持たずにペンを手に取ろうとしたAの手を追い越して、後ろから伸びてきたフジの手がペンを取る。驚いてAが振り向いた刹那、フジがボールペンのノック部分を押した。
「ァガッ！！！！！」
よく分からない声を出してその場にしゃがみ込んだフジと、フジが押さえた手にAは察する。──これは間違いなくビリビリグッズだ、と。
後ろから聞こえてきたキヨの笑い声にAとフジは振り向く。キヨの後ろから顔を出したのは、申し訳なさそうな顔をしたヒラとこーすけだった。
「ひー……笑い疲れた」
「ごめんフジ……」
「だってフジお前……どんな驚き方だよ……んふっ」
だってこんなんだったぜ、とフジの真似をして見せたキヨにフジは無理矢理ペンを握らせてノック部分を押させる事に成功した。
「ウ゛ェァ！！！！」
見事悲鳴を上げて跳び跳ねたキヨにフジの高笑いが炸裂する。ヒラはビリビリグッズが苦手なのでターゲットから外れており、こーすけは既に食らったという。と言うことは────
次のターゲットは、Aである。
一瞬で察したAは全力疾走でその場から離れるが家の中なので限界がある。Aはキヨとフジ、2人分の足音から逃れようと近くにあったクローゼットに身を潜めた。
Aが隠れたクローゼットがある部屋にキヨとフジが入ってくる。
「Aどこ行った……」
その言葉にAは密かに安心したのだが、実はこの2人気付いている。気付いていながら気付いていないふりをしているのだ。とんでもない畜生である。
2人の後ろから付いてきていたこの4人の良心ヒラとこーすけは、Aのいるクローゼットへ「バレてるぞ」と口パクをするがほんの小さな隙間からでは見えないだろう。
ビリビリグッズでここまで遊べる成人男性4人と成人女性1人というのもなかなかだ。
散々部屋を探索──と言う名のタイミング探しだが──した2人はAのいるクローゼットに手を掛けた。ニタニタと笑みを浮かべる2人にAはホラーゲームさながらの悲鳴を上げた。
「痛ｯｯｯｯｯ」
「ギャアアアアアア！！！！！」
「ウッ……」
Aの反応ダイジェストはお楽しみ頂けただろうか。この一連の出来事に対しAは、「夢に出そう」と話した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 336人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
NOA - 好きです！！ キヨくん大好きなのでもうキュン死にしましたーー！ (2021年2月1日 16時) (
レス) id: 699bf3c217 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - えっ好きです(((((は 会話文以外の文(語彙力)が面白くて好きですw (2020年6月20日 16時) (レス) id: f37d64b2a5 (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - ねむねむね〜むねさん» いつも有難うございます！たくさんのコメント頂けて本当に嬉しいです。ねむねむね〜むね様の優しいコメントにいつも励まされています。只今全作品の更新が大変遅れており申し訳ございません。これからもちまちま頑張って行きますので今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年9月8日 8時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむね〜むね - コメント失礼致します！デコピン王siorさんの動画の中でも自分のTOP10に入るくらいで人気なので嬉しいです〜！(？)siratama○さまの作品この前一気読みさせていただきました！全て文章の語彙力が…やばい。更新頑張って！ (2019年9月7日 21時) (レス) id: 94679e293b (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - ねむねむね〜むねさん» はじめまして！コメント有難う御座います。伸びたら嬉しいです（素直）rtrtさん含むuszwさんgtmnさんも どんどん出していく予定です！コメントとても嬉しいので語彙力が消し飛んでおり申し訳ないです。ご期待に応えられるよう努力致します！ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：siratama○ | 作成日時：2019年7月29日 9時
