僕と恋をしませんか？ー2ー

66話 ページ28

「背中の傷は何時負った...？」

ふいに首筋に埋められていた顔が耳元にくる

「あれ...いつバレたの？」

背中に負ってしまった醜い傷

「前の夜だ...」

前の夜...？...思い出さなきゃ良かったかも

ドンドン赤くなる頬

「兄をシャボンディに着く前に見つけて...それで町の破壊をする兄が子供に手をかけそうになって...」

忌々しい黒ひげの笑い声が頭に響く

子供に銃を向ける兄の姿が脳裏に甦る

守るために兄に剣を向けたが兄の仲間に後ろから切られた

「ガキを守るために兄貴と戦おうとしたってことか」

小さく頷く

ローは何処か怒った顔をする

「僕は...兄を止めなきゃ...兄の暴走を止められるのは妹の僕だから...！兄のせいで傷つく人を増やしたくない！！」

ローの目をじっと見据えるとローの瞳の奥が驚きと悲しみに揺らぐ

「自分の体くらい大事にしろ...」

僕だって好きで傷を負った訳じゃない

人を守るためには仕方なかったんだもん

「来い...」

スッと立ち上がると僕の腕を掴み手術室に入るロー

「何するの？」

何となくわかる...けど聞いてみた

薬品と消毒液のツンとした香りが鼻をつく

「お前の傷を治してやる...」

そういい僕を手術台に仰向けにして背中が見えるように服をたくしあげるロー

「いい！傷は嫌だけど手術はしなくていいよ」

ローは肌を切り取って治すつもりだ

怖い訳じゃない

ただ肌を切られるのは嫌だ

じっと僕の顔を見つめるロー

「...此処におれの胸にあるのと同じタトゥーを彫りてェ」

長い指が傷をなぞる

少し冷えた指にゾワリとする

ローの胸にあるタトゥー...ハートに囲まれた中にスマイルマークが確かあった

「...ローがそうしたいなら良いよ」

切り取らないならいい

女がタトゥーなんて...と言われても良い

ローともっと深く繋がれる気がするから...

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