王子？へぇ、興味無いや

9話 ページ10

ころんside



『明日の放課後…』


こ｢うん…｣


思い切って”明日ここで話そう”と聞いてしまった……
ホントにどうしたんだろう僕…普段なら絶対にこんな事聞かないのに


『まあ、今んとこ用事も入ってないしなぁ…』


こ｢じゃ、じゃあ…！｣


『で・も！ここに誰かいた場合は無しになるから』


こ｢分かった！！｣


これはいいって事でしょ？！よし！！！！


…うん？よし？？？？？？？？？？


待て待て待てよしってなんだ！！よし？嬉しいの僕！？
こんな奴のどこがいいの！？


『…とりあえず手、離してもらっていいかな。帰れん』


こ｢え？……ああ、ごめん！！｣


そういえば手掴んでた！
東雲に言われてパッと手を離す。恥ずかし…


『はぁ…まあいいよ。そんじゃ、私は戻るから』


こ｢え、待ってよ！！｣


『やだよ！？』


…こんなやり取りが楽しいと感じてしまう。

本当にどうしたんだろう僕は


『…………………わあったよ、でもかなり距離を置いてね←』


こ｢えっ、いいの！？やったぁ！｣


また、無意識に言ってしまう。


…何で、こんなに嬉しいと感じるんだろう。
…何で、一緒に居たいと思うんだろう。


…いつかのドラマで見た事がある。こういうのは”恋”って言うんだって。

”恋”？僕が？コイツに？昨日転校してきた奴に？まだ会って間もないのに？


…いっその事、認めた方がいいのかな。今まで恋なんてした事がないから分からない。そもそも、本当にこれは恋なのだろうか


こ｢…｣


東雲の見えない所でそっと胸に触れてみる。
何かある訳ではないけど、なんとなく


『おーい』


こ｢！！？？？！？｣


『いや驚きすぎっしょ。時間なくなるよマジで。てか何？体調悪い？保健室行く？』


こ｢…なんでもない！早く行こ！｣


そう言って東雲の手を引いて歩く


『ねーもうホントにヤメロ』


こ｢えー、無理〜w｣


『はー、言い訳考えないと』


こ｢いいじゃん考えなくても｣


『は？殺すよ？』


いや怖いわw脅迫だよこれ


『君のこの行動のせいで私は女子達の痛い視線を感じる事になるんだからな。そんで死ぬんだぞ。そうなったらオメーは殺人犯だかんな(早口)』


こ｢まあまあ、その為の言い訳考えてるんでしょ？教室帰ったらそれに乗ってあげるからさ、ね？｣


『いや、元の原因はアンタだからね？』

10話→←8話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す