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大ちゃんは今でも友達だ。俺しか選ばなかった大学に何故か大ちゃんが受験するって聞いた時は無理だと思った。だって大ちゃん勉強好きじゃないし。成績は悪くないけど、受験科目は大ちゃんの苦手分野が多かった。
いのちゃんと一緒のとこ行きたい。
そう大ちゃんは言ったけど、これから先の人生の岐路は自分で選ぶものであって、周りに左右されて選ぶのをどうかと思った。俺は今学びたい分野を選んだけれど、今の大ちゃんがこの分野に興味があるとは思えない。先生や周りも、もっと選択肢を増やしたら？と諭したが、大ちゃんは首を縦に降る事は無かった。
割と早くに志望校を絞ってた俺にくっついて勉強しまくる大ちゃんを見て、何で大ちゃんは俺と一緒が良いんだろうと考えてみた。正直大ちゃんに合う大学はもっといっぱいあると思うし、なにより動機が俺と同じがいいってのがよくわからなかった。…そう、俺と一緒が良いってのが1番引っかかった。
あれから大ちゃんは少なからず俺に薄くてもフィルターをかけて接してる。と思う。気まずさというフィルター。そんな俺と一緒が良いって理由がわかんない。
数式を思い出す傍らで、本当の事なんて本人にしかわかんないのに大ちゃんの気持ちを考える俺は器用だなーと思ってた。
結局俺がどんなに考えた所で俺は大ちゃんじゃないし、わかんない。だけど今大ちゃんは一所懸命だから、それはわかるから。図書室で向かいに座る大ちゃんをチラッと見た。その顔は真剣で、決して簡単に決めた進路じゃないのはわかる。
誰かに左右されて選んだ選択だとしても、その道を選んだのは大ちゃんなんだから、そんな選択があっても良いんだと思えるくらい一所懸命な大ちゃんを見つめながら割とマジで、大ちゃん俺のことそんなに好きなんだーと言ってみたら、参考書から顔を上げて割とマジな顔で、そうだよ、俺はいのちゃんが大好きなんだよ、と告白された。俺も大ちゃんも勿論その気は無い。俺を見てた大ちゃんが何か言おうと口を開いたけど、再び目線を落とし参考書に向かった。
あの告白の続きは何だったんだろう。聞きたかったけど、もう俺に聞く勇気は無かった。
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もとか(プロフ) - ちこさん» 感想なんて頂けると思っておらず、気付くのが遅くなりました。とても嬉しいお言葉ありがとうございます。本当勝手なイメージですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2017年8月4日 0時) (
レス) id: c52394b53a (このIDを非表示/違反報告)
ちこ(プロフ) - こちらの作品の伊野尾くんの心理描写が、自分に見えている伊野尾くん像に近く、頷きながら読ませていただいています。読み応えのある文章で、とても楽しいです。ゆったりと、こちらの作品の行く先を見届けさせていただけたら幸いです。更新頑張って下さい。 (2017年7月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 01135ac351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もとか | 作成日時：2017年7月19日 22時
