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どうしようって思って、ごめん…と言ったけど、大ちゃんは俺の顔見ずに、…なんで謝んの？って聞いてきた。その問いに返せずにいると、…やっぱそんな風に思ってたんだねって、俺を見てるのになんか俺をすり抜けて遥か後ろを見るような、俺が映ってないような目で無表情で笑う大ちゃんが消えてしまいそうで心臓がバクバク鳴ってる。
違うよって言ったんだけど、首を横に振りながら、わかってる、俺が悪いからって被せてきた。
いつの間かお互い立ち止まってて、大ちゃんは今まで見た事ないような何とも言えない感情の無いような虚ろな目で俺を見つめる。俺は多分泣きそうな顔してると思う。だってなんか泣きそうだから。
数秒見つめ合ってたと思う。大ちゃんが薄く笑って、…こんな奴でごめんねって、そう言って俺の横すり抜けた。
多分このまま行っちゃったら、もう二度と大ちゃんと笑えない気がして、慌てて大ちゃんの手を掴んだ。
待ってよ。そう言って大ちゃんの手首を痛いくらい掴んだ。大ちゃんはビックリして振り返った。その顔は多分さっきの俺と同じ顔だった。
最近までの俺なら、多分大ちゃんを引き止めてない。と思う。そもそも失言もしなかった。と思う。
どうせ言ったって俺の事なんてわかってもらえないって、言った所で分かり合えないって思ってきたから。傷つけられるのも傷つくのも嫌だったから、面倒な事は避けてきた。でも、今、これを避けちゃったら、もう俺は駄目になる。
引き止めたのはいいけど、なんて言ったらいいかわかんない。言葉が出てこない。大ちゃんは掴まれた手首を見つめたままで、俺の言葉を待ってる。と思う。言いたい事がまとまってないけど、もうこのまま大ちゃんに誤解されたくない。
大ちゃん…俺の事…好き？
出てきた言葉に大ちゃんは俺を見た。多分俺はずっと泣きそうな顔したままだろう。眉間に皺を寄せて眉をハの字にした大ちゃんは、…好きだよって答えてくれた。だから、俺も大ちゃん大好きだから…聞いて欲しい事があるんだって言った。
傷つくのが怖かった。嫌われるのが怖かった。だから何も言わなかった。
それでも本当はずっと後悔してた。本心を探りながら気付かれないように薄く付き合っている事に、凄く寂しさを感じてた。
あの日山ちゃんに言った事は、俺が俺に言いたかった事ばっかりだ。
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もとか(プロフ) - ちこさん» 感想なんて頂けると思っておらず、気付くのが遅くなりました。とても嬉しいお言葉ありがとうございます。本当勝手なイメージですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2017年8月4日 0時) (
レス) id: c52394b53a (このIDを非表示/違反報告)
ちこ(プロフ) - こちらの作品の伊野尾くんの心理描写が、自分に見えている伊野尾くん像に近く、頷きながら読ませていただいています。読み応えのある文章で、とても楽しいです。ゆったりと、こちらの作品の行く先を見届けさせていただけたら幸いです。更新頑張って下さい。 (2017年7月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 01135ac351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もとか | 作成日時：2017年7月19日 22時
