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早くに亡くなったと聞いていた山ちゃんのお父さんは、自営業の社長さんだった。社長が亡くなったので会社を畳んで全て整理した遺産は相当多かった。
山ちゃんのお母さんは、子供にかかる費用に関しては惜しみなく遺産から出していたけど、普段の生活は自分で稼いで子供を育てた。俺や姉の習い事の費用や、少し身体の弱い妹の入院費などは、お父さんの遺してくれた遺産から、子供が困らないように使っていた。
ここで初めて山ちゃんに姉妹が居ると知って驚いたんだけど、言ってなかったっけ？と返され、本題にあまり関係ないので、あーまあいいや。それで？と続きを促した。
山ちゃんは男1人だからと、家族を守るのは自分の役目だと思って育った。そんなごく普段の慎ましやかな生活をしてたある日、姉から聞かされたのは、母親に気になる人が居るみたいだけど、涼介はどう思う？だった。
父が亡くなって母は一所懸命働いた。働かなくても金はあったのに。父が家族の為に遺した物を当たり前に使いたくなかった。子供の為だけに使いたい。もしも自分にも何かあっても子供たちが不自由なく生きていけるようにと。
いつだって子供の事が1番だった母に、他に特別に想う存在がいるかもしれないなんて、本当はとても受け入れ難かった。
だけど、母もまた1人の女性だ。父の事を忘れてなんかいない事はわかってる、でもまだ長い人生で父の様に寄り添える誰かと出会ったのなら、それは息子としてでなく、1人の人間として受け入れてあげるべきなんじゃないかと、自分自身を納得させた高校1年の春だった。
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もとか(プロフ) - ちこさん» 感想なんて頂けると思っておらず、気付くのが遅くなりました。とても嬉しいお言葉ありがとうございます。本当勝手なイメージですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2017年8月4日 0時) (
レス) id: c52394b53a (このIDを非表示/違反報告)
ちこ(プロフ) - こちらの作品の伊野尾くんの心理描写が、自分に見えている伊野尾くん像に近く、頷きながら読ませていただいています。読み応えのある文章で、とても楽しいです。ゆったりと、こちらの作品の行く先を見届けさせていただけたら幸いです。更新頑張って下さい。 (2017年7月22日 21時) (携帯から) (レス) id: 01135ac351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もとか | 作成日時：2017年7月19日 22時
