フジ《俺だけのお姫様・後編》＊ ページ40
「お手をどうぞ、お姫様」
「おひっ……！？」
お姫様？と聞き返そうとするも、驚きの余りそんな素っ頓狂な声しか出て来なかった。
それから恐る恐る手を差し出すと、優しく包み込むように手を繋がれた。
「今日は俺がエスコートするから。変な虫が寄り付かないように、ね」
漫画かよ……
そうは思ったが嬉しかったのは事実で、「うん」と答えて微笑んだ。
「あ、そろそろ花火大会始まりそうだよ。あっちの方綺麗に見えるから、あっち行こ」
彼に連れられ、来た場所は空がとても綺麗に見える場所だった。ここなら花火も綺麗に見えそうだ。
暫くして、空に花火が打ち上がった。
予想通り、とても綺麗に見えて、
思わず見入ってしまった。
「ね？綺麗に見えるでしょ？」
「うん」
花火を眺めながら答えると、いきなり頬を両手で挟まれて、半ば強引に顔の向きを変えられた。
「人と話す時はちゃんと人の目を見なさい」
「オカンかよ、お前は」
こういうおかん気質な所も好きなんだけどね。
その言葉は胸の奥にしまっておいている。
「確かに綺麗だから、Aが見入るのもわかるけど」
でしょ？と返し、二人で花火を眺める。
事件はその時起こった。
突然ぐいっと腕を引かれる。
フジじゃない。キヨたちじゃないのも分かった。
じゃあ、誰……？
恐る恐る顔を横に向けると、そこには知らない男性二人組がいた。
「お姉さん、可愛いね？俺たちと一緒に花火見ようよ？」
ナンパされた。どうしよう。
「すみません、連れがいるので」
そう答えても、この人たちはしぶとかった。
「いいじゃん。ほら行こうよ」
強い力に耐えきれず、引きずられかけた。
やばいよ、助けてよフジ……
ぎゅっと目をつぶった瞬間、目の前の男性二人が息を飲んだことがわかった。
目を開けると、私の目の前にフジがいた。
顔を覗き込めば、普段はないような威圧感に満ち溢れている。
「すみませんが、俺の彼女に手出さないで貰えますか」
その一言だけで、男性二人組は怖気付いたのか逃げ出した。
フジは息をついてから私の方を振り返る。
「大丈夫？A」
「あ、うん……」
気の抜けた返事をすると、その瞬間「良かった」と抱き締められた。強く、強く。
「ごめん。俺がいたのに」
「大丈夫だよ」
抱き締め返すと、満足そうな笑い声が耳元で聞こえた。
ナンパされたのは怖かった。
でもフジがいれば、何も怖くない。そう感じた。
フジ《俺だけのお姫様》
こーすけ《祭りの醍醐味・前編》→←フジ《俺だけのお姫様・前編》＊
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まりな - すごく面白かったです！ ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています！ できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです！←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました！ (2019年9月17日 22時) (
レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…！こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました！ありがとうございます！書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ！むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど！めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な？やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます！ (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋奈香 | 作成日時：2019年7月12日 16時
