フジ《多才と凡才》 ページ4
「いつ見ても、フジは面白いなぁ……」
私の幼馴染、巷では『最俺』と呼ばれている4人の動画をチェックしつつ、私は感嘆のため息を漏らす。
4人の中でも、フジは物凄く多才だ。
面白くて、ベースも弾けて、絵も上手い。
私は多才とは程遠い。むしろ盆栽……いや、凡才だ。特に秀でた能力も無ければ、特技もない。
だから、フジと一緒にいると、余計自分の無能さが際立って悔しかった。
「A？何見てんの？」
「……うわぁ！？フジ！？なんでいるの！？」
突然後ろから声をかけられ、勢いよく後ろを振り向くと、そこには、噂をすればなんとやら、御本人のフジが怪訝そうに私の顔を覗き込んでいる。
「なんでって……今日は動画の企画を一緒に考えてくれるって言うから、このカフェで待ち合わせって言ったでしょうに」
そうだった。動画に見入っていて忘れていたが、私は今日、このカフェでフジと待ち合わせていた。
前から気になっていたカフェだったし、少しでも堪能しようと思って早めに来過ぎて、かえって暇になったから動画を見ていたのだった。
さっき驚いて大声を上げてしまった私には、店中からの冷たい視線が容赦なく突き刺さった。
「ご、ごめんフジ……」
どうすればいいか分からずとりあえず謝ると、フジは笑った。
「なんでこのタイミングで謝るんだよ……ほんっとAと話してると面白いわ」
そう言って、フジは私の正面の椅子に腰掛けた。
それじゃあ考えるか、と、フジは鞄からノートを取り出した。
「さてと、どうしようかな……」
髪を耳に掛け、真剣そうな面持ちで考え出すフジ。その姿が妙に様になっていて、思わずじっと見つめてしまった。
「……ん？俺の顔になんかついてるか？」
「あっ……なんでもない、気にしないで！」
バレた……そう思って目を伏せた。
フジは笑いを堪えきれないといったように手で口を抑えている。
「ちょっと、なんでさっきからそんなに笑うのよ？なんか面白いことある？」
ため息混じりに言うと、フジがごめんごめん、と軽く謝りながら答えた。
「Aってさ、いつもフジたちと違って私は才能がない、とか嘆いてたけど、そんなことないと思うよ」
「え……？」
驚きのあまり顔を上げた。
フジが柔らかく微笑んでいる。
「だって、こんなにも俺らを和ませてくれるんだから、それだって立派な才能だよ」
だから凡才なんかじゃない、そう言って彼は私の頭を撫でた。思わず笑みが零れたのだった。
フジ《多才と凡才》
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まりな - すごく面白かったです！ ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています！ できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです！←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました！ (2019年9月17日 22時) (
レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…！こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました！ありがとうございます！書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ！むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど！めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な？やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます！ (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋奈香 | 作成日時：2019年7月12日 16時
