キヨ《からかい上手》 ページ2
「Aってさ、結婚とかしねぇの？」
「はい？」
私の向かいに座るキヨが、真顔でそう聞いてくる。
思わず顔をしかめてしまった。
確かに、私はキヨと幼馴染で同い年。
結婚しててもおかしくない年齢である。
「なんでそんなこと聞くの？」
「いや、だってさ……」
口をもごもごと動かし、肝心なところを濁すキヨ。
らしくないな、そう思って、私は彼の額を小突いた。
「はっきり言わないと分かんないじゃん」
そう言うと、キヨはため息をついてから、私の目を真っ直ぐ見て言い直した。
「だって、何年も……いや、何十年も一緒に話したり遊んだりしてきたAが何処の馬の骨とも分からねぇ輩の人妻にでもなったら悔しいと思って……」
言い終わると、また恥ずかしそうに目を逸らした。
なんだそれ……子供かよ……そう呆れる思考とは裏腹に、顔はみるみるうちに紅潮していく。
「なんつって！」
そんな明るい声が聞こえ、咄嗟に顔を上げる。
さっきまで純粋な乙女のように恥じらっていたキヨはどこにもいない。
腹立たしくて、ウザったくて、うるさいけど、面白くて優しい、いつものキヨだった。
「ほんっとAって騙されやすいよな！いい動画のネタになったわ、サンキュ！」
思考が追いつかなかった。
まるで低スペックなパソコンで膨大なタスクを処理しているような長い沈黙が続いた。
漸く状況を把握した私は、すぐさまキヨに飛びかかっていた。
「このやろー！！私の心を弄びやがって！イケメンだからって何しても許されるわけじゃないんだからな！ったく、反省しろ、このやろっ！！」
「お、落ち着けってA……本当に動画に使うわけじゃないから……」
その言葉に、私は荒れた息を整えながら身を引いた。
「あれはただのいつものいたずらだから。
Aが誰と結婚しようと俺は関係ないだろ？父親じゃないんだしな」
それはそうだけど……という私の言葉は、いつも通りのキヨの大音声に掻き消された。
「よーし！じゃあ実況撮るか！A、声入らないように静かにしてろよー！」
「あ、うん……頑張って」
なんとか言葉を発すると、ニカッと笑って、おう、と返事をされる。
バタンと扉が閉まり、息をついた。
心臓に悪いっての、あの野郎……
あとで野菜たっぷり炒めでも食わせてやろう……
そう恨んだが、内心悪い気はしなかった。
キヨ《からかい上手》
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まりな - すごく面白かったです！ ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています！ できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです！←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました！ (2019年9月17日 22時) (
レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…！こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました！ありがとうございます！書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ！むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど！めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な？やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます！ (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋奈香 | 作成日時：2019年7月12日 16時
