罰ゲーム2 (ページ10)

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「………はっ？」

「亮が丸のことずっと好きなんは知ってるし、今も好きなんよね？それやったら、告白したらいいの「ちょっと待って！！！」

色々パニックやわ。
まず、章ちゃんはさも当たり前のように俺が丸を好きやって前提に話を進めるん？
俺一度も誰にも話してへんで？
丸は大倉に話してたらしいけど、章ちゃんにまでバラすような人じゃないやろうし。

「………俺、そんなわかりやすい？」

「ヤンマー舐めたらアカンで？」

ニヤッと笑う章ちゃんはまるでいたずらっ子で、俺は思わず笑ってしまった。

「肯定してくれるなら尚更やねん。なんで、丸に伝えへんの？丸やって亮のこと「俺、丸のこと振ってんねん」へっ？」

章ちゃん、俺の事見てて敢えてソッとしてくれてたんよね。
それに俺も気づいてたら、あの時は相談してたんかも。
章ちゃんなら、何か良いヒントをくれたかもしれへん。

「俺と丸、昔は付き合ってたんよ」

けど、多分、俺はこの選択をしてる気がする。
章ちゃんに何か言われても、結局丸を手放して後悔してた気がする。

「アホやんな、俺から別れよう言うてんのに。俺、まだ丸のことめっちゃ好きやねん」

それが俺に残された傷跡で、罰ゲームやから。

「やから、今更告白とか出来ひん。する資格もないんよ」

丸が何で俺を今もこうして大事にしてくれてるんか分からへん。
何か裏があるんかなとか、もしかして気づかれた上で利用されてるんかもとか、そんなん色々考えた。
けど、丸はそんな奴じゃないから。

だからこそ、好きは増えるばかりやねん。

「………亮」

「ごめんな？もし、何かアドバイスとか相談乗りに来てくれてたんやったら全然大丈夫やし。大倉にも迷惑かけるぐらいやったら俺はやっぱり「泣くぐらい好きなんやったら、無理せんでええねんで」

章ちゃんはそう言って俺の頬を撫でる。
涙がこぼれ落ちてて、俺の視界はいつもよりクリアに見えた。

「亮、過去のことは過去のことやん。あの時はその選択肢が最善やと思ったんやろ？なら、その選択肢は間違ってない。でも、それに釣られて同じ過ち繰り返すのは絶対間違ってる」

章ちゃんは、いつだって俺を叱ってくれる人やった。
優しさと厳しさをくれる人やった。
俺は気づけば子どもみたいに泣いて、章ちゃんの胸に飛び込んだ。

昔よりも薄くなった胸。
細くなった腕。
でも、温かさは何も変わってなかった。