罰ゲーム2 (ページ19)

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黄side ページ19

帰ってくるなんて思ってなかった。
章ちゃんが言ってたから。
今日はもう会えへんと思ってた。

俺を抱きしめる優しい身体は、ずっと求めていたモノで。

「………おかえり」

涙が止まってやっと出た言葉はそれで、丸は余計に抱きしめる力を強くしてきた。

「寝てたんよね？ごめんなぁ、忙しいのに」

「それはお前も一緒やろ？」

「んふふ、そうかも」

ゆっくりと離れていく体温。
俺は少し寂しさを感じながらも素直に離れる。
丸は俺を見つめるとニコッと微笑む。

「明日は午後からやから、泊まってもいい？」

「………おん、ええよ」

優しく返事をして、俺は丸にキスをする。

今なら全てを素直に伝えれる気がした。

「誘ってんの？」

「そう言ったらシてくれんの？」

「うーん……」

珍しく考える素振りを見せるから、多分本気で疲れてる証拠。
そりゃそうか、大倉を家に送ってから此処に来てくれたわけやから。
大倉の家から俺の家は別に近いわけじゃない。
タクシーで30分強かかる程度の距離。

「嘘やで、今日はもう寝よ」

「亮ちゃん専用の抱き枕になってあげんで？」

「起きたらきっと俺が抱き枕やろうな」

ｸｽｯと笑いながら俺はベットに寝転ぶ。
丸はそんな俺の隣に寝転ぶ。

「亮ちゃん」

「なに？」

「キスしてもいい？」

普段はそんなこと聞かへんくせに。
けど、俺はそれを敢えて口にはせんと「ええよ」とだけ返した。

丸は大人の微笑みで俺の唇を奪う。
それが深くなっていくのには時間はかからんかったし、お互いの興奮が高まっていくのも直ぐにわかった。

けど、それ以上は何もしなかった。
只管キスをして、身体を触りあって、お互いを感じていた。

たったそれだけの事をずっと繰り返していた。
気がつけば気を失うようにお互い眠った。

こんな幸せが続けば良いのにと願った。
章ちゃんが俺にも幸せなって欲しいと言ってたように、俺もみんなを幸せをしたいねん。

けど、そんな夢は簡単に壊れることを俺はまだ知らんかっただけやった。