罰ゲーム2 (ページ18)

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「……ごめん」

「なんで謝んねん。頼られて俺は嬉しいで？」

“安の所に行くには今は難しいやろうし”という信ちゃんはきっと意地悪でもなんでもなくて。
みんなの中に“俺＝ヤス”の公式が成り立ってるだけで。

それだけ、俺はヤスに依存して甘えてたんやろうな。

「俺の見解やけど、丸の言ってることは間違ってないと思う」

「……おん」

「やけど、無理にたつがそう思い込む必要はないと思うで」

思わず顔を上げると信ちゃんは優しく笑って俺の頭をガシガシと撫でる。

「ちょっ、髪の毛なくなる！」

「なくなるかいな」

丸とは違って雑な手付きやのに、俺は自然と涙がこぼれる。

「たつはたつの気持ちを大事にしたらいい。誰でもない、自分の気持ちやねんから」

信ちゃんはどこまでも優しい。
やのに、なんで自分にはあんなに厳しいんやろう。

「……ありがと」

「ゆっくり見つけたらいい。そしたら、いつか答えは見つかる」

「信ちゃんは見つけたん？」

「えっ」

「横山くんと最近様子がへ「そ、それは今は関係ない！」

嘘が下手なオカンやなって思って笑う。
そんな俺につられて信ちゃんも笑った。

「今日は泊っていき」

「ええの？」

「こんな時間から帰らせれるか」

「横山くんに怒られる……」

「なんでやねん！」

俺は必死な信ちゃんを見てゲラゲラ笑う。
久しぶりに心から笑った気がした。

丸ちゃんのくれた残酷な返事は、俺の何かを壊してくれたのかも知れへんと思った。
遠回しに思いっきり振られたしな。

『亮ちゃんのことまだ好きやで』

ハッキリと“好き”やって言った。

俺はそんな丸ちゃんの潔さと、これからのことが少し不安になった。

ライブまでのカウントダウンが、何となく違う事のカウントダウンにも思えてしまった。