罰ゲーム2 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:10,758 hit

2 ページ16

『ごめんな、丸ちゃん……』

『全然大丈夫やで。それにあのまま一人で帰させる方が心配やし』

丸ちゃんは俺を少し支えながらタクシーから降りる。
マネージャーには前もってヤスが伝えてくれていたらしい。

ほんまに、お人好しやわ。

丸ちゃんに支えられながらたどり着いた自分の部屋のソファ。
目の前のテーブルにはもうすぐ始まるライブの構成とかリハーサルの内容とか、後輩たちのプロデュースについての資料がいっぱいあった。

『……たちょ、頑張りすぎちゃう？』

『全然やで……まだ、こんなん序の口やろ………？』

『でも、こうして倒れてたら元も子もないで』

わかってるけど、そんなん言ってられへん。
やって、俺らには超えないとあかん壁があるから。
見送った背中ばかり見てたら前には進めへんから。

やから、やから俺は早く……。

『たちょのこと信じてるけど、無理はやめて欲しい』

『丸ちゃん……』

俺は丸ちゃんの優しい表情の裏に見える哀しさに思わず目の前の男に抱き着いた。

『……丸ちゃんは、無理してないって言い切れんの？』

『えっ？』

『今日も、亮ちゃんの家から来たんやろ』

『たちょ、何言っ『その服、亮ちゃんがこの前着てた。しかも、同じ日に丸ちゃんも着てた』

ずっと言えへんかった疑問と感情をぶつける。
丸ちゃんは何も言わない。

『なんで、亮ちゃんなん？亮ちゃんは丸ちゃんを振ってんで？丸ちゃんを傷つけてんで！？』

『たちょ』

『なんでなん！？なんで、また、亮ちゃんと……』

付き合ってるなら別に良かった。
けど、二人の様子からしてそこには至ってない。
まるでセフレと同じような関係性になってる。

それじゃ絶対にまた傷つくのに、絶対また繰り返すだけやのに。

『たちょ、俺は『好き』

やから、亮ちゃんのことはもうやめよ。
諦めてさ、もう、

『丸ちゃんが好き』

俺にしてよ。