罰ゲーム (ページ9)

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「ごめん、丸……俺の分まで買ってもらって………」

「全然ええよ！色々話出来て俺も嬉しかったし、楽しかったしね！」

「………俺も、楽しかったで」

今なら素直に話せるのに、なんであの頃は素直になれんかったんやろ。
こんな数時間一緒に居るだけで楽しい、何もかもが明るくなるのに、俺はそれを素直に伝えられへん。

「亮ちゃんからそんな素直な言葉聞けるの、幸せやな」

「………言わんすぎたな、今まで」

「でも、それが亮ちゃんな気もするから。あの時の俺も、それはわかってたから」

丸はそう言って笑った。
この会話が終われば、俺らはまた別々の道を歩く。
会うことも、きっとなくなる。

わかってるから、何となく帰りたくなかった。
丸はこのあと仕事があるから帰らないとあかんのに。
また俺は、我儘を言ってしまいそうになる。

「亮ちゃん？」

「え、あ、あの………」

「？……じゃあ、俺そろそろ帰るね。亮ちゃんも仕事頑張っ「あのさ！！」

我儘なんか言いたくない。
けど、それでも言いたくない思いよりも伝えたい気持ちが大きくなる。

「また、連絡しても……いいかな？」

本当ならこのまま一緒にどこか行きたい。
前までなら帰る場所は同じやったから出来たのに、今はそんなことできない。

だから、繋がりだけを持っておきたい。

丸はキョトンとした顔をした後、満面の笑みで俺を見つめる。

「当たり前やん」

その言葉は丸の優しさであって、俺の勝手さを表してた。
けど、安心してた。

丸の変わらない優しさに、俺は泣きそうになった。