罰ゲーム (ページ29)

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あの日以来、丸とはまだ会ってない。
正確には会えてないやけど。

連絡はとってるし、当たり前のように会話もしてる。
けど、俺はやっぱり脳裏に過ぎってしまう。

丸はあの日、俺の事ホンマに抱いたんかな？って。

元々そういう関係だった時も、俺がそっち側やった。
だからこそ、あの特徴的な身体の痛みにすぐに気がついた。
けど、その時点で可笑しいねんもん。
なんで丸が俺を抱くん？
そんで何でこんな普通に連絡できるん？
もう何もわからへん。

丸はまだ俺の事好きなん？

そんな考えすら生まれてしまうぐらいに、俺はもう末期やねん。
けど、ライブが近づいてきてる丸は忙しくて予定がずっと埋まってる。
1週間近く会ってないねんから、そりゃ末期にもなるやろ。

独りで悶々と考える日々はしんどくて堪らん。

「じゃあ亮ちゃん、また撮影でね」

「おん、今日はありがとう」

「いえいえ、早く帰って冷やしなよ」

「うるさいわ」

仁と別れて俺は家に向かう。
そして、また自分のベッドに寝ながら考えるんやろうな。
そんなんで寝られる訳もなく、何となく寝不足気味が続いてる。

「はぁ………」

一番嫌なんは記憶が無い自分やけど。
なんでこんな覚えてないねん、俺。
お酒は飲んでたけど、そんなに飲んでたか？

ーーﾋﾟﾛﾝ

考え事をしてた時に急になったスマホに俺は過剰に反応してしまい、めっちゃビビってもうた。
周りに人がおらんくて良かった……｡

「………まる？」

画面に映る文字に言葉が漏れてしまった。
すぐにトーク画面を開いて内容を確認する。

ほら、もう俺の頭の中は既に丸でいっぱいや。