罰ゲーム (ページ21)

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心地よい日光と風が部屋に入ってきて、俺は目を覚ました。
記憶にはないけど、俺はベッドの上で寝てた。
格好はパンツ一丁と、いつも通りの寝姿や。
そう言えば昨日丸と飲んでたはずやのに、途中から記憶が無い。
丸が帰ってるのか、ここに居るのかすらわからん。
リビングに向かおうと起き上がろうとしたけど、身体の節々が痛くて無理やった。

「………はっ？」

この感覚を俺は知ってる。
けど、そんなこと有り得へんわけで。
俺の頭の中はパニックになっていた。

身体を何とか起こして、俺はスマホを手に取る。
そこには予想通りの奴からのメールが来ていて。

【昨日はありがとう。挨拶も出来んかったけど帰らせてもらうね。じゃあまた今度は家で飲もう(｡･ω･)ﾉﾞ】

その文面を見て俺は力が抜けていく。
頑張って起き上がらせた身体はもう一度倒れてしまった。

「……………そんなわけ、ないやんな？」

キスをした記憶はある。
色々爆発しそうになって、結局またお酒の力で暴走した。
それだけは覚えてる。
やけど、その先はさっぱりである。

俺と丸はもう別れてる。
やから、普通に考えて可笑しい話や。
まぁ、キスの時点で可笑しいけど。
それは、昔からしてきたことやからスルーしよ。

問題は、その先やねんから。

「………どう、確認すれば」

俺は頭の中をグルグルと回転させながら一番手っ取り早い方法を思いついた。
恐る恐るパンツの中に手を入れて、俺は自分の指で穴に触れてみた。

それだけで、昨夜の事情を察せるほどやった。

丸と最後にしたんなんか、もう何年も前。
それ以降、俺は誰ともしてないわけで。
久しぶりやからこそ、身体は分かりやすく証拠を残していく。

「な、んでや……？」

記憶を失くしてる自分が一番腹立たしい。
それ以上に丸の心情を知りたくて仕方なかった。
やけど、ビビりな俺はそんなことできるわけもなく。

【お見送り出来んくてごめんな。次は丸の家でよろしく】

スマホを遠くに投げて、俺は枕に顔を押し付ける。
関係を壊したくないとか、そんなことばっかり考えてたくせに。
なんやねん、なにしてんねん、アホちゃうか。

「…………せめて、伝えてからにしろよ」

伝えたところで、丸との関係が戻るわけでもないけど。
俺は足をバタバタとさせて、声を荒らげだ。

その姿は初めて行為に挑んだ思春期の高校生と一緒やと思った。