緑side ページ2
「…安」
病院のベットで眠ってる安。
腕には点滴がついてる。
病院の先生は診断した結果を『ストレス過剰』やって言ってた。
「ストレス……か」
絶対に俺のせいや。
俺が…安のことを………
守れんかったんや。
ーーガラガラ
「大倉!」
そう言って中に入ってきたのは横山君たちやった。
「横山君……」
「ヤスの様態は?」
「今は安静してる……」
俺がそう言えば一向に入り口から動こうとせんかった丸ちゃんがホッとした顔した。
亮ちゃんはずっと涙目で安の手を握ってる。
信ちゃんは布団をきちんと伸ばしたり、荷物の整理とかしてた。
すばる君もずっと俯いたままやった。
「…大倉」
「ん?」
「今日の撮影は延期になったし、ヤスのことずっと見といたってくれへんか?」
横山君はそう言って俺の方を見つめた。
「ええけど…。みんなは?」
「俺らがこのままおった時に起きたら、ヤスは絶対にみんなに心配かけたって落ち込むと思うねん」
「あっ……」
「倒れた時に一緒におった大倉が側におった方がええやろ?」
確かにみんなで囲んでたらそれが返ってまた安のストレスになるかもしれへん。
「わかった…」
「おぉ、じゃあよろしくな」
そう言ってみんなはゾロゾロと帰っていった。
その時、丸ちゃんは最後まで入り口に立ったままやった。
「…大倉」
「………なに?」
「章ちゃんのこと……よろしくな」
「………わかってる、そんなこと」
少し冷たく返事してしまった自分に少し後悔しつつも俺は何もそれ以上言わんかった。
丸ちゃんも「そやな」とだけ言って病室を出て行った。
わかってる。
悪いのは丸ちゃんじゃない。
亮ちゃんでもない。
俺自身やねん。
安が俺への気持ちが少しずつ変化してるのは何となく感じてた。
でもそれは確信にはならんくて。
少しの不安と希望で一ヶ月過ごしてた。
だから、同じような立場におる亮ちゃんをほっとけへんかった。
言い訳に聞こえるかもしれん。
ただの逃げなんかもしれへん。
でも、亮ちゃんへの気持ちが同情から恋心に変わったのはきっと俺の不安がそうさせた。
「………ちゃんと俺も決意しないとな」
安。
お前が目覚ましたら、俺はちゃんとケリつけるよ。
自分に正直になる。
やから………
早く俺の前で笑ってくれへんかな…?
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ひなまる(プロフ) - りりーなさん» 長らくお待たせしました!ちょくちょく書いていこうと思いますので!どうか最後までよろしくお願いします!そろそろ終着点です (2019年1月29日 1時) (レス) id: 0e05bc50cf (このIDを非表示/違反報告)
りりーな(プロフ) - 待ってました!続きがとても楽しみです!みんなの思いが切ない! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 47710f20bc (このIDを非表示/違反報告)
まるゆずみかん(プロフ) - 続き待ってます…!!大変だとは思いますが頑張ってください…!!! (2018年2月11日 21時) (レス) id: 15230f9b97 (このIDを非表示/違反報告)
4423(プロフ) - 続き楽しみにています。ゆっくりでいいのでいつか更新してくださるのを待っています。頑張ってください! (2018年1月14日 0時) (レス) id: 6aecd16795 (このIDを非表示/違反報告)
co ti(プロフ) - 蜂奈さん» わかります……!! (2017年3月26日 19時) (レス) id: d5f5c8dad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなまる | 作成日時:2017年3月24日 15時