編み込み ページ20
side五条
外に目をやると、オレンジ色に染っている空が目に映る。
部屋のベッドで規則正しい寝息を立てて眠るAを見つめ、ため息をこぼす。
五「はぁ、心配かけさせんなよ……」
ガチャッ
今の独り言を聞かれていたのではないかと焦り、ドアへ目を向けると硝子がいた。
家「Aの容態どう?目覚ました?」
五「いや。まだ寝てる」
家「あんたがA姫抱きにして運んできた時は何事かと思ったよ。新しい嫌がらせかと笑」
五「あー?……そうだな。嫌がらせの趣旨そっち系に変えよ。」
家「やめとけクズ。A異性に対して免疫ないんだから。」
五「いいこと聞いた」
有益な情報を手に入れ、次の嫌がらせは何にしようかと考えていると硝子がこちらを見てニヤニヤしているのに気がついた。
五「?なんだよ。見物料とんぞ」
家「楽しそうじゃん、悟。Aの事やっぱり気になってるんでしょ」
五「まだ言ってんのかよ。生意気な後輩いじめんのが楽しいだけだわ。」
家「その割には随分Aのこと心配してたみたいだけど?私の顔見るなり『Aの腕なおせ!!!!』って、ちょー焦ってたじゃん」
五「別に……あれはそういうのじゃねぇよ。」
家「どーだか。悟はガキだからな〜!好きな子ほどいじめたくなっちゃうんでしょ」
五「会って1週間もたってねぇのに好きになるわけねーだろ。こんなやつ好きになるなんてとんだ物好きだな。」
家「あんま虐めてやんなよ。私もう行くわ。」
五「おー…」
________ _
硝子が部屋から出ていき、取り残されたのは自分とAだけになる。
五「……変な顔。」
ベッドの上で眠るAはいつもの様に大人びた顔の面影がなく、幼さを感じさせた。
五(まつ毛長…俺の方が長いけど。)
綺麗な黒髪をすくい編み込みをする
五(女の髪ってこんなサラサラなんか?上質なシルク触ってるみてぇ。)
今まで付き合った女の髪とはまるで質が違う。
艶のある黒髪はひんやりとしていて触り心地がよかった。
五「って、何してんだよ俺……」
無駄に綺麗に仕上がった編み込みをとき、椅子から立ち上がる。
五「早く目覚ませよ。七海が寂しくて泣いちまうから。」
届くはずのない言葉を零し、部屋を後にした。
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sou(プロフ) - 時々表示で出てくる糸()は夢主ちゃんの心の中で思っていることでしょうか??あとご都合呪術万歳です! (2022年2月27日 16時) (レス) @page45 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
Men(プロフ) - まりさん» 良かったです泣これからも作品を楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年2月21日 21時) (レス) id: 9d36de4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - Menさん» いえいえ、お気になさらずっ!一人二役あるのでっ!! (2021年2月21日 21時) (レス) id: 59cbaf14eb (このIDを非表示/違反報告)
Men(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます!一応知ってはいたのですが、早見さんイメージで貫き通しちゃいました……。もし気になるようでしたらイメージCVの記載は消しますので…不快に思わせてしまったらごめんなさい泣 (2021年2月21日 21時) (レス) id: 9d36de4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - コメント失礼いたします!ご存知かもしれませんがイメージなされてる声優さん津美紀ちゃんの声優さんですっ… (2021年2月21日 21時) (レス) id: 59cbaf14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めん | 作成日時:2021年2月16日 21時